韓流ドラマの中でも、かなりの人気を誇っていた『トンイ』は朝鮮王朝時代を舞台にした超大作でした。
そのあらすじや全話一覧を紹介するほか、トンイのキャストや感想、そして相関図と最終回などもネタバレありで解説していきます。
トンイは、韓流ドラマの時代劇の中でも、もっとも評価の高いものでした。
トンイは、第1話~第60話まであります。
最下層の身分から朝鮮王第19王である「粛宗」の側室まで、上り詰めた女性の波乱の人生が描かれ、最終回ではラストがどうなるのか、その結末が口コミなどでも多く高い評価を得ていました。
今回は、韓流ドラマ『トンイ』のあらすじや全話一覧を紹介すると共に、口コミ評価も合わせて分かりやすく解説していきます。
運命を変えた女性、王宮の秘密を解き明かす。
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韓流ドラマ『トンイ』のあらすじ
還流ドラマ『トンイ』の少女時代は、大変身分の低い最下層の暮らしをしていました。
まだあどけない少女でありながら、いくつもの社会的困難が容赦なくトンイに襲い掛かります。
しかし持ち前の強さと賢さで、やがては朝鮮王朝時代の第19代王である「粛宗(スクチョン)」の側室にまで上り詰めました。
側室に上り詰めるまでの間も、社会的派閥が特に激しかった朝鮮王朝時代。
そんな中でも身分が低かったにも関わらず、宮廷の下働きから始まったトンイの人生は第19代王「粛宗」とのロマンスや、女同士の権力争いなど決して見逃すことのできないストーリーが展開されています。
トンイの成長と共に繰り広げられる愛や悲しみ、そして宮廷内で起こる政治的陰謀や策略などがリアルに描かれました。
粛宗の側室となり、宮廷の中心人物にまでのし上がったトンイは、本当なら王妃にもなれる身分です。
しかしトンイは「私は王妃にはなりません」と自ら、最高の地位を拒みました。
それでもやがては第21代王である「英祖(ヨンジョ)」の生母となります。
そんなトンイの波乱万丈の人生を軸にして描かれた超大作なのです。
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韓流ドラマ『トンイ』のあらすじ全話一覧を最終回までネタバレありで解説!
韓流ドラマ『トンイ』は、第1話から最終回までなんと全60話まである内容の濃い超大作です。
韓国では、1話目から健気に生きるトンイのキャラクターに、多くのファンが引き付けられました。
ここでは、第1話から最終回の第60話までの全話一覧のあらすじを、ネタバレありで解説していきます。
第1話:陰謀の始まり
時はトンイの少女時代から始まります。
朝鮮王朝時代の党派の1つである南人(ナミン)が殺される事件が3件起き、従事官(チョンサグァン)のソ・ヨンギは、剣契(コムゲ)の仕業ではないかと推測。
しかし剣契は奴婢(ヌヒ)の逃亡を助けている組織であったため、黒幕ではなかったのです。
実はこの黒幕となっていたのは、漢城府左伊(ハンソンブパンニュン)のオ・テソクとその甥のオ・ユンでした。
殺されたのが南人であるため、同じ仲間が黒幕とは誰も思わないことです。
賤民の娘だったトンイは、殺された大司憲(テサホン)の断末魔を目撃します。
そのため黒幕から追われることになるのです。
殺された大司憲が死の間際に、トンイの持っていた籠に入れた牌札(ペチャル)を子どもが持っていたということで黒幕であるオ・テソクらがトンイを追っていたのでした。
このままトンイが牌札(ペチャル)を持っていたら、南人を殺したのが黒幕であるオ・テソクとオ・ユンの仕業であることがバレてしまいます。
それを防ぐために、証拠となる牌札(ペチャル)を処分して、トンイも亡き者にせよと命令が下りました。
第2話:裏切り
黒幕に追われ行方が分からなくなっていたトンイですが、問安婢(ムナンビ)として立派な建物である屋敷に連れてこられました。
それはトンイに、問安婢(ムナンビ)をさせるためです。
問安婢(ムナンビ)とは、両班(ヤンバン)の代わりに正月の挨拶に行かせる下女のこと。
屋敷の夫人が娘を嫁がせるので、その代わりに問安婢を選んだが麻疹にかかり、評判の良かったトンイを選びました。
トンイも「ありがとうございます。頑張ります」とやる気を見せています。
しかし、そのトンイが賎民だと知った夫人は急に態度を変えますが、トンイは挨拶文を読み、間違いを指摘して見せました。
これに感服した夫人は、予定通り問安婢を任せることにしたのです。
ところが、トンイの父ヒョオンは「問安婢をやるな」と反対します。
トンイは「一度くらいお嬢様のように絹の着物を着たい!だからどうか許して!」と懇願しますが、父は去っていきました。
従事官のソ・ヨンギは、やがて剣契の仕業ではないと気付き始めます。
そんな折、トンイの父から黒幕は南人である可能性が高いと知らされました。
トンイの父は、トンイを都から逃がそうとします。
第3話:悲劇の別れ
トンイはキム・ファンに助けられます。
そして兄のように慕っているチャ・チョンスから、父や兄らはすべて剣契だと知らされました。
トンイは驚愕します。
濡れ衣を着せられていたこと、そして父と兄は剣契の一員で父は首長だと聞かされ、トンイはまたも驚きました。
護送される頭と仲間たちを助けるために、トンイはチョンスと共に同志と合流しどう助けるか作戦を練り始めます。
その作戦を決行する当日、チョンスは都からトンイを逃がす体制を整え決行場所に向かいました。
チョンスはトンイが人相書きによって追われているので、追っての目をくらますためにトンイに男の子の着物を着せます。
トンイは、問安婢で着ていた絹の着物をチョンスに手渡します。
チョンスにとってはこの絹の着物が重要でした。
チョンスはトンイに「一人で行け!あとでお父さんやドンジュと一緒に行く」と言い、トンイを一人船に乗せます。
しかし、乗り込んできた男たちが「剣契が逃げたらしいぞ。仲間たちが移送中に襲撃して崖の方へ逃げたらしい」という。
それを聞いてトンイは、チョンスがなぜ一緒に船に乗らなかったか悟り、動き出す船から飛び降りたのでした。
第4話:父との約束
騒いでいる剣契を鎮めるために、ソ・ヨンギは残党の捜索を開始。
逃亡していたトンイはケドラと出会い共に逃亡しますが、凍てつく寒さでケドラは病に伏してしまいます。
トンイは、ケドラを恵民署(ヘミンソ)という朝鮮時代の奉仕医療施設に連れて行ったのですが、トンイが手配書の子どもだと気づかれ官軍に追われました。
トンイはケドラを逃がすために、ケドラとは別々の場所に逃げます。
逃亡中トンイは、山の中でソ・ヨンギに見つかりました。
トンイは恐怖に怯えながらも、目の前に立っていたソ・ヨンギに自分を覚えていないかと話し掛け、必死に父が無実であることを訴えます。
ソ・ヨンギは一度だけトンイを見逃そうとしますが、トンイから大司憲(テサホン)が死の間際にやっていた手の動きを見たと聞きます。
もっと話を聞こうとしたとき、捜索中の官軍が向かってくる気配を感じますがどうすることもできません。
同じく気配を感じたトンイは後ずさりしたかと思うと、一瞬にしてその姿が消え去りました。
トンイのすぐ後ろは崖だったのです。
官軍が崖下に周り捜索をしますが、トンイの姿はありません。
気絶していたトンイは男たちに連れ去られます。
第5話:蝶の鍵飾り
トンイは掌楽院の奴婢となって6年が経ちます。
トンイは、父と兄が事件に巻き込まれたことの鍵を握る女官を探していました。
その女官は事件の鍵である蝶の鍵飾りを持っているのです。
そのころ西人(ソイン)である明聖大妃(ミョンソンテビ)とチョン・イングクに反対されながらも、オ・テソクら南人と共に宮廷入りしたチャン・オクチョン。
このとき明聖大妃(ミョンソンテビ)王族の宴を開いていたが、チャン・オクチョンを無視していました。
楽工を引き連れて大々的に催された宴で同行したトンイは、そこでチャン・オクチョンの姿を見ます。
トンイは、この人があの事件の鍵である蝶の鍵飾りを持っている人ではないかと思ったのです。
宴は王族の宴とは別に行われていましたが、どちらも楽工の演奏がおかしくなります。
音揺れが起きたのです。
ごく稀にしか起きない音揺れは、音変(ウムピョン)と呼ばれ、これは国が滅びる兆候と捉えられていました。
不安を覚えているチャン・オクチョンの元に粛宗がやってきます。
粛宗は「必ずや事件の背後を掴み、今夜中に犯人を捕らえる」と決意を現わしました。
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第6話:運命の出会い
小屋に捕らわれていたトンイは逃げた武官を連れて戻りますが、あったはずの編馨(ピョンギョン)の職人の死体が消えていたのです。
そのためいたずらだと思われてしまいました。
チャン・オクチョンに今夜中に犯人を捕らえると名言していた粛宗でしたが、真相が分からぬまま一夜が明け粛宗は、「直接、民の動揺を見るため視察にいく」と言い出します。
民は食料確保で混乱しており、暴動を起こす勢いでした。
音変の原因が分からず、掌楽院(チャンアゴン)では徹底的な取り調べが行われます。
ピョンギョンの家を訪ねると、そこには自分を捕らえた男たちがいたのです。
その男たちの後を追って、たどり着いた場所は屋敷の前でした。
そこで小屋に落ちていた石とまったく同じ石を見付けたのです。
トンイは自分が捉えられていた納屋に、一つでもこの石が落ちていたら手掛かりになると考えました。
暗闇の中を捜索中、納屋の外で人の気配を感じたトンイは身を潜めます。
すると、粛宗が入ってきたのです。
粛宗は納屋の外に見張りを立てて入ってきましたが、物音が聞こえ外を見ると見張りが次々と殺されていきます。
物陰に隠れた粛宗は、先に身を潜めていたトンイと鉢合わせしたのでした。
第7話:光と影の再開
粛宗を王とは知らなかったトンイは、粛宗と共に男たちにやられそうになっていたところを、ソ・ヨンギが率いている捕盗庁(ポドチョン)が駆け付け男たちを捕らえました。
粛宗は、音変(ウムビョン)が仕組まれていて、その首謀者を必ず突き止めると宣言します。
トンイは粛宗から褒美を賜りました。
掌楽院(チャンアゴン)の敷地内で、トンイの手柄に対しての褒美で食べきれないほどの御食(オシク)が次々と運ばれてきたのです。
御食とは、王が与える食事のことで、このほかにも数々の褒美の品が贈られました。
音変騒ぎがあったことで、掌楽院に署長としてオ・テソクの弟であるオ・テプンがやってきます。
その息子オ・ホヤンにトンイは目をつけられてしまいました。
息子オ・ホヤンに突然手を握られたトンイは、驚き手を引き抜きます。
その反動で、オ・ホヤンは転がってしまいました。
そのせいでトンイをムチ打ちにしてやると怒り狂ったのです。
しかし父であるオ・テプンが止めに入ります。
そして、チャン・オクチョンの元へ連れていかれることになったトンイは、「あの鍵のことが聞けるかも。どうやって聞けばいいのか」と考えていました。
第8話:約束の印
蝶の鍵飾りを持っているのではないかと思っていたチャン・オクチョンに、決死の覚悟でトンイは鍵飾りを見せてもらいました。
賎婢(チョンビ)の身でありながら、とても許される願いではありません。
しかし、チャン・オクチョンは快く見せてくれたのです。
ところが、探していた蝶の鍵飾りとは違うものであったために酷く落胆してしまいます。
チャン・オクチョンの母ユン氏の使いで薬剤を届けるようにいわれたトンイ。
宮殿の外から薬剤を持ち込むのは禁じられていました。
その薬剤とは、チャン・オクチョンの母ユン氏が王との子を懐妊させたいがために、トンイに使いを頼んだのでした。
それに気付いたチャン・オクチョンは、母であるユン氏に酷く叱りつけます。
「災いの元になりますから、謹んでください。そのようなものがなくとも、内医院(ネイウォン)の煎じ薬で十分懐妊できます」と言いました。
門限を過ぎてしまったトンイは塀を乗り越えようと試みます。
その様子を粛宗が見付け、トンイに近づきました。
そしてトンイを連れて、堂々と正面の門から入ってきます。
門の中には誰もいませんでしたが、父が守ってくれたと思うトンイでした。
第9話:迫られる証言
薬剤を届けた薬屋の医者が殺されます。
トンイは捕盗庁で調べを受けることになりましたが、チャン・オクチョンに届けたことは言いません。
そこで偶然にソ・ヨンギと再会し、6年前のことを尋ねられるのです。
「私を知らぬか?6年前に会ってはおらぬか?」と聞かれますが、トンイは「な・何のことか分かりません。
私は成川(ソンチョン)の妓生(キーセン)の家で奴婢をしていました。
掌楽院(チャンアゴン)にはそのあとに来たので、従事官様に会うはずがありません。
部下が奴婢の名簿を持ってきましたが、そこにも同じことが書かれていたので、ソ・ヨンギは「やはり、人違いか」と思わざるを得ません。
そのころ監察府(カンチャルブ)では、掌楽院(チャンアゴン)の奴婢を使って薬剤を持ち込んだ宮女が、チャン・オクチョンであると知られます。
監察府は掌楽院に進入し、トンイを連行したのでした。
尋問中のトンイは絶対に口を割らず、口を割らなければ拷問になります。
王妃の煎じ薬の中に相反薬が入っていたことが分かりトンイの疑いが晴れ、オクチョンは自らの居所である就善堂(チュソンダン)に薬剤を運ばせたことを認めたのです。
これによりトンイは介抱されました。
第10話:解かれた謎
チャン・オクチョンは、自分のために調べを受けているトンイを救うために監察府(カムチャルブ)に向かいます。
しかしそこで、イニョン王妃の殺害容疑を掛けられてしまいました。
チャン・オクチョンは無実だと信じていたトンイは、薬剤を処方した医者の死体を調べようと捕盗庁に侵入します。
トンイは漢城府(ハンソンブ)で、あの時会った判官に協力してもらおうと考えたのです。
あの時の判官とは、トンイがまだ知る由もないこの国の王である粛宗のこと。
しかし、漢城府で聞いても「そんな判官はいない」と言われ、どうしたものかと考えあぐねました。
ソ・ヨンギのことも思い出しましたが、頼めるはずはありません。
そしてトンイが思いついた方法は、「以前の取り調べで言い忘れたことがある」と口実を作り部将(ブジャン)に取次を頼みます。
取次は待たず、奥へと進んでいきました。
やがて検死室を見付け、中に入ります。
トンイは持参していた液体を、遺体の指に塗りましたが遺体の指に何も変わりがありません。
毒が入っていたら変色するようになっているのです。
その変色が見られなかったので、トンイは「やっぱり毒には触っていないんだわ」と確信します。
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第11話:思いがけぬ褒美
トンイを救った粛宗が、チャン・オクチョンの無実を知らされ翌日、重臣らに事件について真相を究明し、ソ・ヨンギに黒幕を暴くよう命じます。
清国に行っていたチャン・オクチョンの兄であるチャン・ヒジェが帰ってきました。
チャン・オクチョンはトンイを重用しようとしていたのですが、兄は「賎婢(チョンビ)でありながら有能だったのはチャン尚宮様です。そういう人はお一人で十分です。
妹・オクチョンをいずれ王の側室にし自分の地位をも上り詰めようと考えていたチャン・ヒジェはチャン・オクチョンがトンイを肩入れするのは気に入りませんでした。
それでもオクチョンは「トンイは賢いのに、賎婢(チョンビ)のままでは哀れです。能力が発揮できるようお力添えを。」そう粛宗に申し出ていたのです。
それを思い出した粛宗は、翌朝すぐさま監察府(カンチャルブ)の最高尚宮(チェゴサングン)に王命を下しました。
「掌楽院(チャンアゴン)の奴婢 チョン・トンイは本日丙寅年3月11日、チョン・トンイは、内命婦(ネミョンブ)の女官として入宮し、監察府(カンチャルブ)の配属となる。
本日より内命婦(ネミョンブ)の監察女官として謹んで王命に従え」
第12話:新たな試練
賎婢(チョンビ)から内命婦(ネミョンブ)という、宮中では官職を持つ宮女の組織を監督し調査する監察府(カンチャルブ)という部署に配属となったトンイ。
当然、宮中は騒然となっていました。
賎婢(チョンビ)が女官になったその才能で、監察府(カンチャルブ)の威信を落とし込んだ奴婢を歓迎できません。
あまりの事態にトンイも、オクチョンにどういうことなのか事情を聞きました。
オクチョンは「お前にはその素質が十分にある。お前は官僚や監察宮女に二度買った。王様もその誰よりも理解されておる。」
しかしトンイは、粛宗(スクチョン)を判官だと思っているので王とは知りません。
そのため「会ったこともない私になぜ?」と不思議でした。
監察府(カンチャルブ)の最高尚宮であるチェゴサングンはこの決定を不服として、内需司(ネスサ)に抗議することを決定します。
チェゴサングンは、チャン・オクチョンの企みだと思っているのです。
イニョン王妃にもこの決定は取り消してほしいと申し出ますが、イニョン王妃自身もトンイの才能を認めています。
それゆえ、自分も納得した上で許諾したのです。
第13話:期待に応えて
監察府(カンチャルブ)の威信に関わるとトンイの配属を歓迎していない宮女たちは、定期試才(シジェ)を開いて、それにトンイも参加させます。
試才(シジェ)とは、監察府(カンチャルブ)が定期的に開いている宮女の試験のことです。
「乙」以上で合格とし、それ以外は不合格となるため同時に宮女の資格を失うというものでした。
しかし、トンイは監察府(カンチャルブ)に入ったばかりでまだ何も学んでいません。
当然、その試験に合格できるはずもないとトンイは絶望的になります。
二人一組で試才(シジェ)を受けますが、トンイと組んだ宮女チョンイムはスラスラと暗唱できたのに対しトンイは当然何も答えられません。
ユ尚宮は、トンイに不合格と宣言します。
トンイには「できる限りで良いから」と言っていたこともあり、トンイはもう一度試験を受けさせてほしいと懇願しましたが、ユ尚宮は受け入れません。
この険悪な雰囲気にポン尚宮が、「歩き始めた子どもに走らせるのは無理があります。しかも王妃様の允許(いんきょ)で入った者です。」と抗議します。
允許(いんきょ)とは、臣下の要求を許諾することです。
第14話:密輸商人
卑劣なやり方でトンイを不合格にしたユ尚宮は罷免し、チョン・オクチョンをチェゴサングンに指名します。
再試験では、ウングムという女官と組んで試験を受けることになったのです。
トンイは夜を呈して月明かりの下で必死に勉強をし、見事試験に合格したのです。
そのころ捕庁(ポチョン)では、義禁府(ウイグンブ)の官吏から捜査訓練を受講する日になっていました。
捕庁(ポチョン)とは、現在の警察と似た機関のことです。
そして義禁府(ウイグンブ)とは、主に重罪人を扱う現在の検察と似た機関になります。
その訓練に参加するのがトンイが兄と慕う、チャ・チョンスでした。
講義を受けるチョンスと同じ部屋にトンイもいたのですが、二人ともお互いの存在に気付きません。
その後、昔手渡しした鉢巻を見てトンイはチョンスが同じ宮廷内にいることを知り、宮廷内で再会を果たしました。
その後、潜入捜査をすることになり同行する女官が選ばれます。
捜査は、清の使節団の中に密貿易商のキム・ユンダルという男がいるとの情報が入ったからでした。
ユンダルは朝鮮人でしたが、官職にも就いています。
その潜入捜査に、トンイも選ばれたのです。
第15話:あの方が王様…
清の使節団に潜入捜査が疑われ、合図を送ってないのになぜ疑われたのか腑に落ちないトンイは、そのとき見つけた細長い紙に書かれた文字が気になりました。
あとでチョンスに尋ねると、それは暗号だったのです。
慕華館(モファグァン)にいる者が何かを隠していると悟ったトンイでした。
また粛宗も、「我が国での罪は許されない。」と自ら使節団の代表に会うと言います。
暗号が書かれた細長い紙の側には、円筒があるはずだとチョンスから聞いたトンイは慕華館(モファグァン)にうまく潜入できたのですが、宴に参加していたオ・ホヤンがトンイを見付け騒ぎ出します。
細長い円筒を見つけたトンイは、清の兵士に追われ逃げまどいました。
トンイが逃げた先には、なぜかあの判官がいたのです。
トンイは「判官様?なぜ慕華館(モファグァン)にいるのですか?」
奴婢の姿をしているトンイに粛宗も驚きます。
「トンイ、なぜここにいるのだ?」
トンイは「助けてください!追われているのです」と咄嗟に、粛宗の手を取りました。
それを見ていた王の側近が「こら!…王様」
その言葉を聞いて、トンイはキョトンとした顔になります。
「判官様、どういうことですか?王様とは?」
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第16話:嫉妬
判官だとばかり思っていた人が、王様だったことをようやく理解したトンイ。
細長い紙の暗号についても、ソ・ヨンギが解明しそれを粛宗に報告します。
細長い紙を筒に巻き付けると「青坡(チョンパ)」という文字になり、南廟近くの川辺がある地域の名でした。
粛宗は、そこに密貿易の証拠となるものがあると睨み、清が問題視する前に罪の立証を急ぐよう命じます。
慕華館(モファグァン)に忍び込んだトンイの罪は、この手柄によって罪は問われません。
そのころ大使の報告で、密貿易商のキム・ユンダルが自害したと。
清の臣下が無実であることの証明をしたというのです。
この件を問題視しない条件は、トンイの身柄を要求してきました。
調査が謀略であったか否かを調べる権利があると中朝したのですが、粛宗は一切認めません。
チャン・オクチョンに会った粛宗は、このことを話すとオクチョンは「では、トンイを渡さないおつもりですか?」と聞くと、粛宗は「もちろんだ。あの者に罪はない。例え代償を払おうと、今回は原則通りに処理する。幼い女官に罪は着せられない」と断言しました。
トンイに対するこだわりが強すぎると感じたオクチョンは、一抹の不安を感じます。
第17話:疑惑の煎じ薬
自害したと思われていたキム・ヨンダルは実は生きているとトンイは言います。
ヨンダルは白斑という慢性的な皮膚疾患の跡が、遺体にはありませんでした。
それゆえ遺体は別人であると断言できるというのです。
こうしてキム・ヨンダルも捉えられ、事件は解決されます。
そんな中吉報が届きました。
チャン・オクチョンが懐妊したというのです。
粛宗の子を身ごもり、オクチョンは淑媛(スグォン)に任命され王子を出産したため、禧嬪(ヒビン)へと昇進しました。
南人(ナミン)派は、王子を元子冊封を上奏しています。
明聖大妃(ミョンソンテビ)はこれを拒み、講義のために断食をしたため衰弱していました。
明聖大妃に処方された煎じ薬に、怪しい点があると投書があり、極秘に捜査が依頼されたのです。
内医院(ネイウォン)の関与についてトンイは「断じて禧嬪様とは違うと信じていますが、もし本当なら禧嬪様でも罪を受けるべきでしょう」と正義感を見せます。
チャ・チョンスの調べで煎じ薬には問題はないが、他の薬と併用で毒になる薬剤があると聞かされ、就善堂(チュソンダン)の女官部屋で書籍に挟んでいた紙切れがあったことを思い出しました。
それは漢方の薬草の名前です。
第18話:驚きの証言
禧嬪付きの女官ヨンソンが、チャン・ヒジェの指示で煎じ薬を医官に届けたことを知ったチャン禧嬪は激怒します。
兄ヒジェは、すべては上の位を手にする夢を叶えるためだと答えました。
しかしオクチョンは「こんな汚い手は考えていませんでした!」と反論します。
ところがヒジェは「いいえ、禧嬪様も望んでいたはずです。正当なやり方で上にのし上がれるとお思いですか?今までそれができたお方は、裏で汚い手を使っている者がいたからです」
そして、トンイは自分が始末するとまで言いました。
やりたくないと泣き崩れる禧嬪でしたが、それでも嫌とは言いとおせなかったのです。
内医院(ネイウォン)で、薬剤使用が確かである日誌を手に入れました。
その日誌を持ってトンイは禧嬪に会います。
禧嬪は、そのことを知っていたと言いました。
自分の命で医官に作らせた煎じ薬だと、そしてそれは幼い王子のために作らせたともいうのです。
トンイは「あんな強い煎じ薬が王子のためだなんて、私に信じろと?一体どうしてこんなことを!」
王子の薬だと言い張ってもトンイにまで認めさせることはできませんでした。
第19話:恩人との決別
禧嬪は、煎じ薬を呑んだ明聖大妃(ミョンソンテビ)が生死の境をさまよう病状になったことで、それを王妃である仁顕(イニョン)にその罪を着せたのです。
粛宗は、明聖大妃(ミョンソンテビ)が病に伏せる前、激しい口論をしたままになっていました。
もしこのまま明聖大妃(ミョンソンテビ)が他界したらと、悔やんでいたのです。
しばらく心痛で誰にも会おうとしなかった粛宗(スクチョン)は、少し夜風に当たろうと宮中を散歩していたとき、トンイに会います。
トンイもまた禧嬪の罪に落胆していたため寂しそうにしていました。
粛宗は、今回のことはすべて禧嬪の行いであったことも知り心を痛めていましたが、王として禧嬪の罪は許せるものではありません。
仁顕王妃に上奏した医女も特定され、医女は医官が煎じ薬に細工をするのを見たと証言しています。
医官は、王妃に細工をしろと指示されたというのです。
しかしこれらはすべて、仁顕王妃に罪を着せた禧嬪が粛宗に王妃の罪だと信じさせるための捏造でした。
粛宗は、義禁府(ウイグンブ)に捜査を廻します。
そして王妃付きの女官とその親族も捕らわれてしまいました。
第20話:王妃降格
宮中では、仁顕(イニョン)王妃が煎じ薬に細工をさせ、それを禧嬪のせいにしたという噂が広まります。
噂は仁顕王妃の知るところとなりました。
トンイは、禧嬪に会いました。禧嬪からは「お前はもうこの件にはかかわるな。溝に吸い込まれたくなかったら黙っていた方がよい」と。
トンイは「禧嬪様は、私にとって人生を開いてくださった希望の存在でした。この御恩は一生忘れません。
でもこれからの禧嬪様には、もうついて行くことはできません。」
粛宗は仁顕王妃に会い、医女らの証言を告げます。
仁顕王妃は「王様、それを信じるのですか?」と尋ねると粛宗は「信じてはいない。だが、自白の根拠を調べなければならない」と答えました。
そして自分に大妃を殺す理由がないとも言います。
粛宗は禧嬪にも会い、「今までどれだけ嫉妬や計略があったか、ご存じのはずです。さんざん傷付けられた挙句、今度は大妃様の殺害だなんて」と憤慨して見せます。
しかし粛宗は仁顕王妃と禧嬪の証言どちらも信じることはできないが、どちらかが真実であるからそれを暴く必要があると従事官であるソ・ヨンギに話しました。
この時すでに、仁顕王妃の降格する話も進められていたのです。
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第21話:闇の資金
医官が怪しすぎると睨んでいたトンイは、独自に捜査を決意します。
仁顕王妃は禧嬪を呼び、今回の件について「王子のためか、それとも王妃の座が欲しいのか」と聞きました。
禧嬪は「王妃様がなさったことを見逃せと?私も無実の者の苦しみには深い憤りを感じます。
しかし事の発端が私だと言えますか?これを解決できるのは王妃様だけです」と答えます。
仁顕王妃は、禧嬪に対し怒りより哀れみの念が強くなっていきました。
調べ廻るトンイを心配していたチョンスは、トンイに「害が及ぶことになるからその前に都を離れろ」と忠告します。
しかしトンイは「私だけが知る事件の事実があるから、それを隠したまま逃げられない」と。
仁顕王妃の親戚が発行した1万両の手形が換金できるイム商団について、商売が傾いているため大金を換金できないことを突き止めました。
夜を待ってイム商団に張り込み、危険だからとトンイを待たせチョンスが一人で手形を書いた人物を尾行するも護衛のゴロツキに囲まれてしまい、斬りあいになります。
同じ人物を追っていたソ・ヨンギが先回りしていたのです。
チョンスの戻りが遅いと心配していたトンイにも、ゴロツキが囲まれてしまいます。
第22話:迫る魔の手
王室の財産を扱う部署である内需司(ネスサ)を監察するというトンイ。
しかし、禧嬪ら監察府(カンチャルブ)がトンイに加勢して、内需司に調査を迫っていました。
ところがそれを王である粛宗が監察府を引き下がらせたのです。
これに納得がいかなかったトンイ。
チャ・チョンスがチャン・ヒジェを尾行し、内需司の典需(チョンス)が密会しているのを目撃しています。
ごく小規模ではありましたが、横領されたことが分かっています。
しかし仁顕王妃の廃位直前にして、莫大な資金がどこかに流れたのです。
外部からの状況で証明するために、内需司の書庫を探すべきだと考えていました。
ところが王粛宗の王命が、これを阻んでいます。
納得いかなかったトンイを、粛宗が宮殿の外に密かに呼び出しました。
そこで「内需司の件は、今回の問題が解決したら監察府に送るから心配するな」
それを聞いて安堵するトンイ。
内需司の怪しい事実を黙認してきたのは、禧嬪でした。
その証拠を抑えようとトンイは書庫に潜り込むことを決意します。
第23話:届かぬ願い
内需司の書庫に潜り込んだトンイですが、急に外が騒がしくなります。
内需司から火の手が上がり、内官(ネグァン)たちが集まってきていたのです。
急いで逃げだすトンイを内官たちが目撃され、刺客に追跡されるトンイ。
どうにか内需司から逃げれたトンイですが、刺客の手裏剣がトンイの胸に命中してしまいます。
胸に傷を負ったトンイは、粛宗に証拠を届けようと向かう途中、粛宗の行列を目撃しました。
「王様、私はここです」と消え入りそうな声でいうと、トンイは意識を失ってしまいます。
都に戻った粛宗は、トンイがソ・ヨンギと共に禧嬪が仁顕王妃を陥れ、その証拠を探っていたが見付からずトンイは内需司に火をつけ逃げたと聞かされる粛宗。
しかし粛宗の知っているトンイとは到底違いすぎることに困惑します。
ソ・ヨンギから禧嬪を大切に想う粛宗に、禧嬪の悪行を言えなかったはずだと聞かされました。
粛宗は禧嬪にも事情を聞きます。
しかし、理由もなく禧嬪を陥れるようなことをするトンイではないと思っている粛宗は黙っていました。
禧嬪は「2日後の王妃冊封式ですべてを覆してください。私が信じられないなら、それは私が至らなかったせいですので、恨んだりしません」
第24話:遠く離れて
一夜明けて、ソ・ヨンギを更迭した粛宗。
涙ながらに「お供します」といったナム副官とファン武官を断り、「必ずトンイを連れて戻ってくるから、それまで左捕庁(チャボチョン)を守ってくれ」と言い残します。
そして、王妃の冊封式が予定通り行われ禧嬪が王妃になりました。
粛宗の命を受けたソ・ヨンギは、チャ・チョンスと共にトンイを探していましたが、手がかりが掴めません。
トンイは、商会の主であるピョンに助けられ一命を取り留めていました。
そのピョンの屋敷で流刑となっていたシム・ウンテクを受け入れることになります。
自分を助けてくれたピョンには感謝していたトンイですが、ピョンの屋敷で働くトンイを逃がすまいと、トンイに頼まれていた書状をすべて隠してあったのです。
一刻も早くここから抜け出すことを考えるトンイ。
一方、トンイの行方を探していたチャ・チョンスとソ・ヨンギは、とうとうトンイの居場所を突き止めることができました。
都城から来る大物の宴の準備でバタバタしていたピョンの屋敷は、その隙に逃げ出そうとします。
逃げる途中、通りの向こうから籠が進んできました。
なんと、その籠にはチャン・ヒジェが乗っていたのです。
第25話:思わぬ味方
トンイの居場所を突き止めたチャ・チョンスとソ・ヨンギは、トンイがいた場所へとひた走っていました。
禧嬪の母、オ・ユンは部下からとんでもない情報を聞き驚愕しています。
王によって罷免されていたはずのソ・ヨンギが、その王粛宗の命によって人を探して全国を渡り歩いているという情報でした。
すぐさま娘で王妃となった禧嬪に伝えます。
その探している人は、トンイに違いないと。
「王妃様、これは王様に他意がある証拠でしょう。もしかするとその女を探して、廃妃の再調査をするのかも」
禧嬪は王に謁見を求めますが、講義中であったためしばらく待つことになります。
そのとき、ふと見慣れない包みが大事そうに置かれていました。
それは粛宗が、トンイのために買った靴です。
禧嬪は粛宗の心がすでに自分にないことに気づかされます。
禧嬪は粛宗に会うことなく、交泰殿(キョテジョン)に帰っていくのでした。
そのころ、トンイの生存を確認したチャン・ヒジェが刺客を差し向けます。
ヒジェの行動を告発するつもりで旅立とうとしていたトンイは、自分を助けた商会の主ピョンに鉢合わせしてしまうのです。
ヒジェの告発を説得しますが、ピョンは納得しません。
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第26話:都を目指して…
チャン・ヒジェに協力すると大罪を犯そうとしている片棒を担ぐことになるので、トンイはヒジェへの協力を阻止しようとしますが、ピョンは理解を示さない中、チャン・ヒジェが現れ、トンイを捕まえて行ってしまいました。
チャン・ヒジェはトンイに「清国との取り引きを、他に誰が知っているのか?」
トンイはどんな拷問を受けようと、決して口を割りません。
今にもトンイを切り殺そうとしていたそのとき、シム・ウンテクが現れました。
ウンテクはトンイと「謄録類抄」を交換しようというが、ヒジェは信用しません。
トンイとウンテクはそのままヒジェに監禁されます。
のちにトンイと共に船で都城に行こうとしていましたが、ウンテクは「私は流刑の身だ。勝手に離れられん。これは贈り物だ。俺とお前の身分を救うことになるかもしれぬ」
そういって差し出したのは、ヒジェに渡したと思っていた「謄録類抄」でした。
これが本物で、ヒジェに渡したのは平壌(ピョンヤン)の巡回日誌で表紙だけすり替えた」といいます。
これを使ってヒジェの陰謀を暴き、私をここから出してくれ」
トンイは「お任せを!」と大きくうなずきました。
第27話:狙われた新王妃
ようやく都城が見えて辿り着きます。
しかしチャン・ヒジェの命令により、検問が強化されていました。
都城に入る若い女性は、厳しく検問を受けており都城に入れないトンイ。
チャ・チョンスとソ・ヨンギも厳しい監視の中を潜り抜けて、都城に戻り粛宗に会います。
「トンイを直に探せるのが羨ましい。チャン軍官、王命でなく余からの頼みだ。トンイを無事に連れ帰ってくれ」
一方、トンイの生存を知った禧嬪やオ・ユンとオ・テソクは、トンイが生きて宮廷に戻ったら王妃様も我々も終わりだと考え、何としてもトンイを捕らえる手筈を踏んでいました。
トンイは水汲みに扮していれば宮廷に入れると考え、洗踏房(セタッパン)の水汲みとして働き名を「エジョン」と名乗ります。
トンイが東の庭に水を汲みに行った場所に、粛宗もまたトンイと語り合った場所を散歩しています。
その時、何やら騒ぎの声を聞きそちらに目を向けました。
そこでは門番が下働きをりつけています。
「何をしていたのだ!答えぬか!」
「すみません、私はただ」
「だめだ!この女を捕らえろ!」
第28話:涙の再開
道を間違って大殿(テジョン)に迷い込んだとされたトンイですが、「些細なことなら帰してやれ」と難を逃れました。
実は遠くに粛宗の姿を見て、欲を出しぐんぐん進んで行ってしまったのです。
さらに水汲みの分際で、王様に伝言があるということで危うく義禁府(ウイグンブ)に就き出される寸前でした。
しかし使いの内官(ヘグァン)はトンイの顔を知らず、開放しろと命じただけで去っていきます。
トンイによく似た水汲みの女を見たとの報告があり、捜査されることに。
王との接触を試みようとしているトンイの動きを知った禧嬪は、恐怖すら覚え必ずその女を連れて来いと物凄い形相でまくしたてました。
追い詰められ逃げ場を失うトンイは、間一髪のところで宮殿から外に出ることができました。
けれど行く当てがないトンイは、泣きながら奚琴(ヘグム)を奏でています。
その美しい音色に惹かれるように歩いてきた一人の男の気配に気づくトンイ。
顔を上げるとそこには会いたくて仕方がなかった粛宗の姿がありました。
第29話:見えてきた真実
涙の再開を果たしたトンイと粛宗は、力強く抱き合います。
トンイの無事を聞いたソ・ヨンギとチャ・チョンス。
チョンスはすぐトンイの元に行き、無事に再開できたことを涙で分かち抱き合いました。
しかしヨンギは、王の執務室に留まります。
ヨンギは、トンイが無事ならそれで十分であり、2人の再開の場は自分は外すべきだと考えていました。
トンイの体を心配して御医(オイ)を呼んでいた粛宗でしたが、「自分ごときが御医になど」と断ります。
しかし粛宗は「私ごときとは、本当に分からぬと?余にとってそなたは余の身体と同様なのだ。…だから、御医を世話するべきだろう。もう二度と…余の前からいなくなったりするな!余のことを思うならだ」
2人の言い合いを聞いていたチョンスは、この時初めて王粛宗のトンイに対する気持ちに気付いたのでした。
ところが粛宗の心配が当たっていたかのように、トンイの身体はかなり衰弱していたのです。
ハン内官から「トンイが危篤です」との一方を受け、粛宗はすぐトンイの元に駆け付けます。
衰弱しすぎて強い薬が使えないとのことで、粛宗は王のための紅参を使うように言います。
第30話:王の決意
粛宗の紅参のおかげで熱が下がり、意識を取り戻したトンイ。
多罪を犯したチャン・ヒジェが投獄されます。
そのことを知った禧嬪が、粛宗に「兄は無実である、兄を釈放してほしい」と。
ただ一言「オクチョン!まだ遅くない。そなたが真実を話すなら罪を許すことはできないが、余の心は許す」
しかし、禧嬪は「私は詫びることなどしていません。私が申しあげられるのはそれだけです」
禧嬪にはもうどんなに詫びても、粛宗の心が自分に戻らないことを知っていました。
廃妃ミン氏から「王様の心にはそなたがいる。素直に王様の気持ちを受け入れるのだ」と言われたトンイ。
茫然とした面持ちで仮屋敷に戻ったトンイの前に、仁王立ちで待っている粛宗の姿がありました。
粛宗はトンイを思い出の酒場に連れて行きます。
無事に戻ったトンイとどうしても行きたかった場所でした。
トンイはもう一度監察府に戻って仕事がしたいと言います。
粛宗は、自分が言い出そうと思っていたことが言えなくなった代わりにこう言いました。
「いいだろう。では余もそなたのためにできることをする。そなたのため、そなたを守るために余ができることだ」
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第31話:ためらう心
粛宗はトンイを「承恩尚宮(スンウンサングン)」に任命しました。
承恩尚宮とは、王との同衾によって尚宮の資格が与えられた者という意味です。
トンイは、自分にはふさわしくない想いもありながら尚宮の衣装に身を固めます。
粛宗はトンイを承恩尚宮に任命しておきながら、トンイが受け入れるか少しうろたえていました。
トンイを救うための手段ではなく、ちゃんと婚姻関係を結びトンイの心を得たいと考えてのことでした。
ハン内官は微笑みながら「王様、僭越ながら一言申し上げます。そうお考えなら、そのお気持ちをそのままお伝えください。それ以外に必要なものなどございません」と。
その言葉通り、粛宗はトンイに嘘や偽りではないことを告げます。
自分の気持ちを整理するトンイ。
トンイの兄チョンスが粛宗に、トンイに対する気持ちを問います。
粛宗は「それは兄としてか?それとも男としてか?
一瞬言葉に詰まるチョンスでしたが、はっきり「兄としてです」と答えました。
トンイは自分が剣契(コムゲ)の娘の身であるために、王のそばにはいられないと思っていましたが、チョンスに「王様に会う前のころのように生きられるのか?」と聞かれ、何も答えられないトンイ。
第32話:命がけの取り引き
トンイは父と兄が命を落とした崖で考え込んでいましたが、そこの現れた粛宗に、「余のそばにいてくれ」と言われ、トンイは大粒の涙を流し「私でいいのでしょうか?王様のそばにいたいです。許されるなら…」
禧嬪は、自分が王妃の座にいる限りトンイに奪われるものはないと兄であるチャン・ヒジェを釈放すれば、トンイを承恩尚宮(スンウンサングン)として認めると申し出ました。
その後、トンイの居所で女官たちが次々と病に倒れる自体が起きます。
これは、禧嬪の母であるオ・ユンが仕組んだことでした。
しかし世子の居所である東宮殿でも病人が出ており、驚いた禧嬪が駆け付けます。
東宮殿では、これがすべてトンイの陰謀であるという噂が広まりました。
同じく心配して東宮殿に駆け付けた粛宗。
そのころトンイの居所では、世子を狙った陰謀であるとして、義禁府(ウイグンブ)に病気になった女官たちが連行されていきました。
トンイは禧嬪に捉えられた女官たちを解放してほしいと願い出ます。
しかしすべて義禁府と監察府で解決するとトンイの申し出を聞き入れません。
第33話:疫病の正体
トンイは宮殿に広まる疫病の原因を突き止めたいと禧嬪に申し出て、3日の猶予を貰っていました。
一方、ソ・ヨンギとチャ・チョンスはシム・ウンテクと合流して都への道を急いでいました。
そのころトンイは水辣間(スラッカン)の女官の手がやけどで赤くなっているのを見ます。
トンイは薬を渡しますが、女官は「申し訳ありませんが、私たちは何も塗れません」というのです。
料理を作る水辣間では、手に何も塗れないことになっているとポン尚宮が説明します。
トンイは、疫病の正体を特定する突破口が開けたと思いました。
それは、おしろいです。
直ちにこのおしろいの入手経路が捜査されました。
このおしろいは宮外で作られたもので、市場の粉売りからおしろいを買ったという女官が見つかります。
その女官は、禧嬪の実家に足しげく通っていたのです。
宮殿に戻ったソ・ヨンギとチャ・チョンスは暗い表情をしています。
世子の側近として更なる権力を手にした王妃の一派。
そして、トンイが命懸けで手に入れた「謄録類抄(トゥンノンユチョ)」は何の効力もなく無用の物になることが無念でなりませんでした。
第34話:消せない過去
更なる権力を手にしたと歓喜していたチャン・ヒジェに、慕華館(モファグァン)から呼び出しがかかります。
「謄録類抄(トゥンノンユチョ)」が偽物と分かり、「本物の「謄録類抄」を渡さねば王に告げる」と言われたヒジェは、生気を失ったようにフラフラと歩いていました。
ユン氏がトンイの過去に何も記録がないことが不自然だとして、トンイの正体を暴くため、トンイを後宮牒紙(フグンチョブチ)に任命すると発令したのです。
後宮牒紙になるには、形式的なものだがトンイの両親や本籍などを確認してもらう必要があります。
この手続きでトンイの正体を暴こうと考えたのです。
「こんなことになるとは」とうろたえるトンイですが、チョンスは「こんな時のために準備はしてあるから心配いらない」といいます。
粛宗はトンイが賎民出身であることは知っていますが、それが大罪でない限り処罰はできないと考えていますが、詳しい事情を知りたいとソ・ヨンギに話しました。
少し前、トンイが父と兄の命日を祈るために崖に行ったが、そこで父が絶命したことを知ります。
それを聞いたソ・ヨンギは動揺しました。
やはりあの少女がトンイであったことをヨンギは確信しました。
第35話:禁じられた告白
ソ・ヨンギにやはりあの時の少女だったかと問い詰められたトンイは、ついに自分が剣契(コムゲ)の頭の娘チェ・トンイだと認めました。
トンイは自分の口から王様に話させてほしいと言いますが、ソ・ヨンギはそれを許しません。
一方、トンイの記録がなかなか見つけられない禧嬪は、ソ・ヨンギが剣契の記録を探していたことが分かりました。
この事実はやはり自分の口から王に話そうとトンイは決めています。
しかし話があると粛宗と会っていたとトンイですが、いざとなると凍り付いたように口を閉ざしてしまいました。
その姿を見た粛宗は、「もう何も話さずともよい」と言います。
ソ・ヨンギが許可なしにいきなり飛び込んできてトンイをりつけるように追い出しました。
ソ・ヨンギは粛宗にトンイの奴隷記録を差し出します。
「父はチョン・ムジン、母はキム・コミ、成川(ソンチョン)の妓房(キバン)に売られました。
禧嬪様は、成川の生まれではありません。
主人の収奪に耐え切れず逃げ出し、賎民を助けていた剣契の協力により逃走したようです」
剣契の助けを借りた罪の意識がトンイを苦しめていると、ヨンギは架空の事情を話しました。
粛宗もこれを信じます。
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第36話:逆転の罠
宴会場にみんなが集められていることに不信感を抱くトンイ。
仮病を装い部屋に戻ろうとしましたが禧嬪に引き止められ「王室の一員ならば慣れろ」というのです。
一方、ソ・ヨンギは義禁府の兵が宴会場に配置されているのを見て、親衛隊の兵を宴会場に全員集めました。
宴の間に、トンイの居所から「謄録類抄」(トゥンノンユチョ)が持ち出され、トンイもこれに気付きます。
禧嬪は、手にした「謄録類抄」を清国に渡し、この件は我が国に大きな騒ぎをもたらし、王様は名誉を失われると豪語しました。
しかし、これには既にトンイとウンテクが考えた策略でその通りに禧嬪側が動いていたことを知った禧嬪は逆上し、「私の罪を暴くなど生意気をいうのは辞めた方がいい。」と声を荒げますが、トンイは「自白は必要ありません。チャン・ヒジェを始め誰の告発も最初から求めていません。王妃様が犯した罪は自ら立証なさいますから」
「何だと?」
「昔を覚えておいでですか?汚名を着せられたとき、私がお救いしました。あの時は無実でしたが、今は重罪を犯しています。当時と同じ方法で王妃様の罪を立証します。」
第37話:動かぬ証拠
トンイの作戦だった「謄録類抄」(トゥンノンユチョ)にショウガ汁が塗られていて、それに触れた禧嬪たちの罪が、酢によって暴かれることになります。
南人(ナミン)派であるオ・テソクらは自分たちが生き残るために禧嬪を切り捨てることを決めました。
オ・テソクから命じられていたユ尚宮が禧嬪に指示されたことだと自白したのです。
禧嬪は、粛宗に「罪は認めるが、自分の持つ力すべてを掛けても王妃の座は守る」と告げます。
しかし、「謄録類抄」をトンイの居所から持ち出したとき、トンイの居所の棚から床すべてにショウガの汁が塗りこまれていました。
このショウガに酢が反応して桃色に変色するので、持ち出したものの手にその反応が出るのです。
それが何よりの立証でした。だから、自白は必要ないと言ったのでした。
禧嬪はすべての罪を粛宗に認めたのです。
しかし、そうなってもなお自分は世子の母であると主張します。
粛宗は決断しました。
チャン・ヒジェ、オ・ユン、ホン・テユンを罷免し、流罪に処す。
禧嬪の処分については、王妃の地位をはく奪するとしました。
第38話:ふたつの喜び
禧嬪は王妃降格となったものの、世子の母であるため禧嬪の称号を許され、そのまま宮殿に残ることになります。
そして無実が証明された仁顕前王妃は、宮殿に戻ることになりました。
一方、監察府の監督を言い渡されたトンイは、事件に関わったユ尚宮の処遇を言い渡します。
トンイはまずチョン尚宮を最高尚宮に任命しました。
それによりチョンウムは、女官から尚宮に昇格します。
牢獄のユ尚宮、ウングム、シビは斬首の恐怖におびえていました。
しかしトンイは、ウングムとシビは品階は下げましたが、監察府に復帰させます。
ユ尚宮は、斬首ではなく自害を懇願しますが、トンイは一般尚宮に降格はしたものの監察府に復帰させました。
ユ尚宮は決して改心しないかも知れないが、誰にでも二度目は与えられるべきです。私がそうであったように、他の者にも機会をあげたい」
この報告を受けた粛宗は、自ら問題を抱えたようだがそれがいかにもトンイらしいと苦笑しました。
第39話:忌まわしき記憶
トンイは、淑媛(スグォン)になって1年が経ちました。
そしてトンイは王子を生みます。
王子の百日の祝いは代わりに、粥の配給所を設けて賎民を救済する機会にしました。
しかし、その配給所で活人署(ファリンソ)の署長が殺されたのです。
トンイは何者かが剣契に罪を着せるためと考え、父たちを陥れた犯人たちに繋がるかも知れないと考えました。
事件を担当するのは、漢城府(ハンソンブ)の新しい庶尹(ソユン)で、あの事件で殺された大司憲(テサホン)の息子チャン・ムヨルです。
公正な男として粛宗の信頼も厚い男でした。
しかし、ムヨルは極秘にある人物に会いに行きます。
そのある人物とは、禧嬪でした。
「南人(ナミン)派を揺るがす力をお前に与える。奴らをどうするかはお前次第だ」と。
禧嬪(ヒビン)に会ったその足で、オ・テソクの屋敷に向かいました。
「昔、父を殺したのは剣契でなく、あなただとか?」
そういわれて動揺するテソク。
「ご心配なく。恨みを晴らす気ならこんな訪ね方はしません。崩れた南人派の再建に微力を尽くします」
父親の敵と手を組むことに驚くテソク。
しかしこれはムヨルがテソクを自分のために働く飼い犬にするつもりだったのです。
第40話:復讐の誓い
トンイは賭場で、大司憲が示した手の合図の意味を調べようとしましたが、何の収穫も得られません。
一方、禧嬪はムヨルを動かし、南人への影響力を取り戻そうと兄チャン・ヒジェを都に戻れるように画策しているのです。
チャ・チョンスは、かつての砦で剣契の再結成を目撃しました。
しかし、そのことをソ・ヨンギに報告できないでいたのです。
ヨンギには話せないがトンイには話すしかありませんでした。
再結成した剣契の首長はケドラです。
生死の境を彷徨いましたが、生き延び過去の恨みを晴らそうとしていました。
しかしケドラは、トンイが生きていて後宮になり、王子を生んだと聞いて慌てだします。
まさか自分が狙っている後宮がトンイとは思ってもみませんでした。
トンイが滞在している屋敷は、別動隊が包囲しているはずだと思ったケドラは慌てて飛び出していきます。
トンイは手の合図の意味を考えていましたが、あることを思い出しポン尚宮たちに支持を出しました。
トンイから支持を受けた尚宮と女官たちは、言われた書籍を探しに出て行きます。
1人屋敷に残ったトンイの目の前に、突然賊が現れました。
「お前が王の後宮か」
その時、トンイはこの賊の腕に剣契の印を見ます。
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第41話:浮かび上がる黒幕
トンイは自分を殺しに来た剣契を、兵が来る前に逃がします。
再結成された剣契の頭となっていたケドラと再会を果たしました。
しかし、殺しをやめるように説得しようにも、ケドラたちのことが明らかになれば、自分の過去も隠せなくなるトンイです。
今は、父たちがかつての剣契を陥れたのが何者かを突き止める必要がありました。
そして手の合図の意味を調べることに全力をそそぎます。
その時、南人の一部が経典としている六経に目を留めました。
手の合図の意味がここにあるのではと考えたのですが、六経は莫大な量があり、すべてを続破するには無理がありました。
焦りを見せるトンイに、何があったかと聞くウンテク。
トンイにはウンテクにも話せません。
同じころ、チャ・チョンスもソ・ヨンギにすべてを打ち明け、許されることではないが真犯人を探し出したいからしばし見逃してほしいと頼みますが、管轄はあくまで漢城府であり、チャン・ムヨルが担当しているため返答ができません。
そんな中トンイは、どうしても手の合図の意味を見出せないことで心が折れそうになっていましたが、ふと思いついたことで手の合図の意味が「オ・テソク」である可能性があることを突き止めます。
第42話:断ち切れぬ友情
南人派の一部は、五経に音楽に関する経典である「楽記」を加えて六経としています。
礼楽を重んじている十二音律であることが分かったのです。
結果、死の間際に大司憲が示していたその手の合図の意味は、「オ・テソク」の可能性があると確信したトンイは、証拠を得るためオ・テソクにゆさぶりをかけます。
そして禧嬪が陰謀を知っていたことも確かめたのでした。
しかし禧嬪もまた、トンイが剣契の頭の娘であり、事件の真相を知っているということをムヨルの調べにより確信していました。
一方、チャン・ヒジェから身を隠せと言われたオ・テソクは武官に案内され都を離れますが、それをケドラの部下が察知し、突然剣を抜きテソクを切り殺してしまったのです。
騒然とする漢城府に、粛宗が現れます。
粛宗もオ・テソクが死んだことを聞き、驚いて駆け付けたのです。
そのころトンイは、ソリのもとへ来ていました。
何としてもケドラを逃がそうと怪我を負ったケドラを抱きかかえ、逃げようとするトンイ。
そこへ粛宗が現れ、ケドラをチャン・ムヨルが連行します。
ケドラに追いすがるトンイ。
その姿に衝撃を受けた粛宗は、トンイを怒鳴りつけるのでした。
第43話:苦渋の決断
粛宗は、「まさか剣契の首長を知っているのか?」とトンイに尋ねます。
チャン・ムヨルがトンイも漢城府へ連行します。
罰は受けるというトンイを、粛宗は居所に追い返します。
一方、仁顯王妃は、禧嬪の元へ行きこういいます。
「このような卑怯な手で淑媛を嵌めたそなたに腹が立った。思い通りにはならぬ。もう上辺だけの王妃ではない。肝に銘じろ」
また粛宗は、自分の罪は消えないというトンイに詫びたのです。
「そなたは悪くない。前から言うつもりであったのだろう。余がそれを阻んだのだ。故に黙っていたのは余のせいであろう。
賎民が無念の死を遂げたのも、王である余の罰だ。この件は余が処理するゆえ、そなたを絶対に傷付けさせない。だから…」
しかしトンイは「私の罪は消えません。剣契の再結成を隠し、首長の逃走を助けようとしたのは事実です」と言います。
しかし粛宗は、「だから嘘をつき、幼馴染の頼みを聞いただけ。剣契とは知らずに奴はお前を利用したのだ!何も知らなかった、そういえば何とかなる」
「王様!」
王が淑媛を不問にしたことは、禧嬪の耳にも入ります。
「それほどでしたか?王様にとって淑媛はそこまでするほどの者だったのですか」
第44話:耐えがたい苦しみ
トンイが漢城府へ行ったことを知った粛宗は止めに行きましたが、既にトンイはすべてをチャン・ムヨルに自白しており記録も取られた後でした。
しかし、それでも粛宗にはトンイを裁くことができません。
挙句には政務にまで影響が及び、そのことを知ったトンイは心を痛めます。
そんな折、トンイの生んだ王子が危篤状態であることを知らされました。
トンイの生んだ永寿(ヨンス)王子は、はしかにかかっていたのです。
高熱で命の危険もあると知らされ、粛宗も駆け付けます。
王子はまだ幼いため、強い薬が使えないため手立てがないと医官。
トンイは、昔父がやっていた民間療法の薬草があることを思いつき、官女を集めて宮廷内の庭園を隈なく探させましたが、その甲斐も空しく王子は息を引き取ります。
亡骸となった王子を抱きしめていつまでもなくトンイでした。
粛宗は何が何でもトンイを自分の傍に置こうとしたために結果、トンイを苦しめることになったと思い、もうトンイを解き放つことを決意します。
トンイには、身分だけは残し後宮としての礼遇をはく奪、さらに宮廷から追放し、二度と王として会わないと明言したのです。
第45話:募る恋しさ
宮廷を去るトンイに、ポン尚宮とエジョンも駆け付けます。
トンイが住む家は、あまりにもみすぼらしいあばら家でした。
しかしトンイの気持ちは明るかったのです。
ある日、ポン尚宮が魚料理を作るというのですが、トンイがそれを取り上げ張り切って料理しようとします。
その瞬間、トンイは急な吐き気が襲いました。
トンイは「魚の匂いが生臭いだけ…」と言いますが、ポン尚宮とエジョンは「淑媛様、懐妊ですよ!懐妊したのですよ!」
全てを失ったトンイに光が差し込めた瞬間でした。
このことは内密にし、皆に見守られながら産み月を迎え、そして監察府の護衛のもと、トンイは元気な男の子を生みました。
このことは極秘に粛宗にも伝えられます。直接会いに来ることはありませんでしたが、粛宗はソ・ヨンギに書状を託しました。
そこには生まれた子の名前が記されていたのです。名前は「昑(クム)」。
そのころ禧嬪は、世子に世継ぎが望めないことを知り、淑媛が生んだ昑に世子の座を脅かされることを恐れます。
6年の歳月が流れ、昑は王子としての自覚と誇りを持ち、卓越した能力を持ち合わせて立派に成長しました。
ある日、食事会に招かれた賎民の子らに交じって宮殿に入ります。
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第46話:父と子
母であるトンイから常々、父であり王である粛宗の話を聞いていた昑は、一度でいいから間近で父上を見て、そして「父上!」と呼んでみたいと思っていました。
そのとき、昑の目の前に王の井出達をした人物を見つけ、「父上!」と駆け寄ります。
しかしそれは、禧嬪の王子である永寿でした。
永寿は、昑に「王様を父上と呼べるのは、王子だけなのだ。」と。
ところが昑は「そんなことは知っている!私も王子だ!」と反論します。
一方、昑が宮殿に入ってしまったと知ったトンイは昑を探しました。
塾へ行く途中だった昑でしたが、塾では賎民の子と昑を馬鹿にした者が昑をイジメる準備をしています。
それを知った粛宗が、昑を連れて宮殿の外へ出ました。
判官を名乗った粛宗は、思いがけず昑と半日遊びます。
昑は知能が優れており、6歳でありながらもう既に「大学」や「中庸」まですべて覚えてしまっていました。
そして粛宗は、「やっとトンイと王子を宮廷に呼び戻す時がきた」と6年ぶりにトンイに会います。
困惑していたトンイですが、父上からお呼びがかかったと知った昑は大喜びです。
その姿を見てトンイも宮廷に戻ることを決意しました。
第47話:王子の意地
宮廷に戻ったトンイは位も淑媛(スグォン)から淑儀(スギ)に格上げとなり昑も、ヨニン君に即位となります。
宮殿に戻ったヨニン君に、判官姿のままヨニン君の前に行く粛宗。
ヨニン君は、「お前も私が宮廷に戻ることを知っていたのか?」
まだ父だと知らないヨニン君はキョトンとした顔で尋ねるので、込み上げる笑いを抑えながら粛宗は「さようでございます、王子様。」
そこへトンイが現れ、判官姿の粛宗に「王様!」と呼びかけました。
ヨニン君は、目の前の判官姿の男が父上である王だと理解し、生意気な口を利いていた自分にうろたえて、その場を逃げ出しました。
植木の下でうずくまっているヨニン君に気づいた粛宗とトンイは、知らぬふりをしてこんなやり取りをします。
王「怒ってないことをヨニン君に知らせたいのだが」
トンイ「怒ってないと?」
王「もちろんだ、会いたいから判官のふりをした。」
トンイ「でも無礼なのでお怒りになるのでは?」
王「怒るだと?そなたは余の背中に乗ったであろう」
トンイ「王様!」
王「余はヨニン君といたとき嬉しかった。共に過ごした時間がとても幸せで充実していた」
それを聞いてすっかり安心したヨニン君は植木の下から出てきました。
第48話:近づく嵐
母トンイから「小学」も知らないふりをしていろと言われてそうしていたヨニン君ですが、ヨニン君が不出来だと思った禧嬪も宮廷内はあざ笑います。
しかし母を侮辱されたことが悔しかったヨニン君は、母との約束を破り「大学」や「中庸」をスラスラと答えました。
歓喜する粛宗。
トンイも「小学」も知らないふりをさせるのは酷であったと思います。
粛宗はヨニン君を侍講院(シガンウォン)に入れると言いました。
侍講院とは、世子の教育を担当する部署のことです。
仁顯王妃を訪ねたトンイは、煎じ薬を呑み苦しそうにしている王妃を心配します。
仁顯王妃は、廃位されていた期間貧しい暮らしをしていた影響もあり、心臓病が悪化していたのでした。
そして、仁顯王妃から、トンイがまだ知り得なかった事実を聞かされます。
それは、禧嬪の王子・永寿が病弱で世継ぎを見込めないというのです。
驚きを隠せないトンイでした。
仁顯王妃は、「世子に世継ぎが見込めない以上、この国に王様の跡を継げる者はそなたの王子・ヨニン君しかいないのだ。ヨニン君をこの国の王にすることができるか」と問うのです。
驚愕するトンイ。
第49話:王妃の願い
後日再度仁顯(イニョン)王妃を訪ねたトンイは、仁顯王妃がとうとう倒れているのを発見します。
トンイは、アン尚宮を問いただし世子の病のことを知りました。
そして昨夜、仁顯王妃が禧嬪の居所を訪ね、世子のために自白するよう説得していたことも知るのです。
一方、禧嬪も王妃が倒れた一報を聞きそれがすぐ死に直結するのか気を揉んでいました。
王妃の主治医は、三日以内に意識が戻らなければ危ないといいます。
禧嬪の母・ユン氏は巫女を連れ、王妃の居所の近くで呪いを掛けていたのです。
人形を焼き、「驪興閔氏」と書かれた札を使った呪いでした。
このことを知ったトンイは驚愕して、監察府(カンチャルブ)に知らせると、直ちに操作が行われます。
仁顯王妃が目覚めたら終わりだと思っていた禧嬪やヒジェら、その想い通り王妃が目覚めたのです。
付きっきりで看護していたトンイに王妃は言います。
「約束しておくれ。必ずヨニン君と生き延びると。何としてもそうすると」
トンイは「はい、必ずそうします。どんなことがあろうと必ず、生き延びて見せます」
これを聞き安堵した王妃は、遠のく意識の中で「恩に着る。私は、そなたと知り合い、とても幸せだった」
第50話:兄と弟
後日、仁顯(イニョン)王妃は粛宗に「トンイを王妃にしてほしい」と言い残し、息を引き取りました。
王妃の死を聞き、ヒジェは小躍りして喜び、禧嬪もまた安堵しすっかり落ち着きを取り戻しています。
宮廷内ではしめやかに王妃の葬儀が執り行われました。
一方、ヨニン君と世子は、すっかり兄弟のように仲良くなっています。
年こそ違いますが、学力は共に互角の力を持っていました。
世子は「共に学ぶと楽しいな。少しも飽きない」
ヨニン君もまた「はい、私もです。兄上と共に…」と言い慌てて恐縮する姿を見て世子は、一般の民と同じ呼ばれ方に返って喜ぶ世子でした。
ところがこれは面白くない禧嬪は、「弟などとはとんでもない。ヨニン君とは二度と会ってはなりませぬ」と世子をりつける禧嬪。
トンイもまた世子を兄上と慕うヨニン君に、どう言い聞かせたらよいものかと戸惑っていました。
一方宮廷では、禧嬪を王妃にするべく上奏が重臣たちによって始まっています。
しかし、トンイを王妃にしてほしいと言い残して逝った前王妃のことを想い、粛宗は決断できませんでした。
いつまでも王妃の座を空けておけないのは分かっていても、どうすべきか思案していたのです。
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第51話:宣戦布告
決断しかねていた粛宗でしたが、とうとうトンイを淑儀から嬪(ビン)にすると命を出すのでした。
一方、禧嬪はトンイから前王妃を呪った人形と札を禧嬪に返すといいます。
そして、世子の病についても王には内密にするというのです。
禧嬪にはとても信じられない発言でした。
しかし、そう言ったトンイの目に偽りがなかったとも捉えていた禧嬪は、混乱します。
兄ヒジェにこのことを伝えますがヒジェは「罠です。それを信じるのですか?あのずるがしこい女は欺いています」
こういわれますます混乱する禧嬪でした。
しかしトンイは、禧嬪に「ヨニン君に権力ではなく、人生を与えたいのです。
権力より大事な物で満たされる人生。
故に、禧嬪様の恐れは無用です。私が信じられませんか?
世子様とヨニン君を兄妹として生かしてほしいのです。
禧嬪様にお会いした時、すべて覚えていると申しました。
あの時のように信じたいのです。私たちにはまだ取り返しのつく最後の機会があると信じたいのです」
しかしこのあと女官が駆け付けてきて、3日前に王様が淑儀を嬪の位にすると聞きます。
禧嬪は、トンイに最後の機会と言われた返答をしに行く決意をします。
第52話:無垢な心
禧嬪は、トンイに返された呪いの人形と札を突き返し、「代償を払おうと、私は誰かの影としては生きられない。世子のためだ。生まれながらの世子で、王になることだけがすべての子だからな。それをお前やヨニン君には決して奪わせない。生きるか死ぬかだ。」
トンイの想いは届かなかった完全なる決裂でした。
ヒジェの企みにより内医院に不審者が侵入し、帝王学に関する書籍がなくなり、それがヨニン君の荷物に入っていて、ヨニン君の仕業と疑いを掛けられます。
しかしこの一件を粛宗は「書籍はヨニン君が世子に授けた。これしきでヨニン君が世子を脅したと言ったな!」と激怒する粛宗に、上奏の声は静まり便殿も静まり返ります。
この勢いのまま粛宗は、淑儀を嬪に昇格することを宣言しました。
「次は、淑儀が王妃の座を狙うと大騒ぎするつもりか!」
中秋の名月を見たいと言った世子と一緒にヨニン君は宮廷の外へ出ます。
楽しい時間を過ごしていた二人ですが、突然「泥棒だ!」という声と共に男が世子を突き飛ばし、盗んだ巾着を落としていきました。
追いかけてきた両班(ヤンバン)の少年が、突然世子の胸ぐらを掴み、「お前か!捕庁へ行くぞ!」と引きずられていきます。
第53話:憎しみの炎
世子とヨニン君の騒ぎも一段落し、世子も宮殿に戻りました。
世子は自分の抱えている重い病を知り、それを粛宗に打ち明けます。
「自分は世子でいる資格がない」と泣く世子に、「それは違う!」となだめる粛宗。
チャン・ムヨルもイム・サンヒョンたちに事実を暴露し、世子の病が宮殿の噂にとなります。
一方、ユン氏がトンイを狙ったことがオ・テプンによって捕盗庁(ポドチョン)に伝わり、ユン氏は捕らわれました。
その後、ヒジェによる犯行で、東宮殿から火の手が上がり、危険にさらされた世子は行方不明に。
賓慶堂(ポギョンダン)は警戒が厳しいので、刺客を送る手立てとして、宮殿に放火し疊鐘(チョプチョン)によって多くの民が宮殿に押し寄せ騒ぎに乗じて侵入した泥棒が、淑嬪とヨニン君を殺したことにしようとしたのです。
この騒ぎで世子の安否が気にかかったヨニン君は、付き添うエジョンを東宮殿に走らせますが、刺客が現れ宮殿に残っていた女官を切り殺されました。
ヨニン君は必死に逃げますが、刺客に取り囲まれます。
今にも斬られようとなった瞬間、トンイがヨニン君をかばいました。
トンイの背中が斬られてしまいトンイはその場に倒れ込んでしまうのです。
第54話:欲望の果て
トンイを襲った刺客と黒幕のヒジェはチャ・チョンスに捕らわれます。
シム・ウンテクは、仁顯王妃を呪った証拠を粛宗に見せました。
トンイがそれでも禧嬪にチャンスを与えようとしたのに、禧嬪はトンイたちの命を狙ったと説明します。
チャン・ヒジェとユン氏は拷問を受けますが、禧嬪の関与は否定していました。
粛宗は、チャン一族の処分を決めかねています。
誰の目にも死罪は当然ではありますが、世子の身内である故に悩んでいたのです。
世子は、母を死なせたくないあまり3日も座り込みを続け嘆願し泣き叫びます。
その声に一層、胸が痛む粛宗。
しかし、粛宗はこうせざるを得ない父を許せと伝え、以下の処分を下します。
「チャン・ヒジェとユン氏、王室と朝廷を冒涜しさらに王妃を呪詛した上、淑嬪とヨニン君を狙った罪は、酌量の余地なし。よって、共犯者も含め死罪か流刑に処す。
また、禧嬪について世子の母としてその責任を果たせず、先の謀略を画策という大罪を犯した。決して許されない罪だ。よって禧嬪にも同じ罪を問う。
本日、禧嬪の位を剝奪し、毒殺を命じる。」
第55話:新たな対立
禧嬪は、白装束に身をまとい計場に進んでいきました。
器に入れられた毒薬を前に、禧嬪は辺りを見回します。
禧嬪は最後の願いとして、粛宗に自分の死にゆく姿を見て欲しいと伝えていました。
どこかで見ているであろう王を想いながら、禧嬪は毒を呑み吐血し、苦しみながらその命が燃え尽きたのでした。
また、兄ヒジェと母ユン氏も牛車に乗せられ、民からの罵声を浴びながら都城を移送されていきます。
宮廷では、トンイが王妃になれば世子の立場が危うくなる。だからこそ、ヨニン君を世子にという声が上がっていました。
世子は母禧嬪を失って荒れ狂い、帝王学の書籍ももう自分には不要だと、粛宗に対しても悪態をつきます。
しかし、そこへ現れたトンイは自分は王妃にはならないと宣言しました。
それが悲劇を断つ道なのだといいます。
粛宗便殿において教旨が読み上げられました。
「今後、いかなる後宮も王妃にはなれぬものとする。後世のどの王も、これに背いてはならない。
そしてトンイは世子を王とし、ヨニン君を世弟(セジェ)とする」
世弟とは、王位を継ぐ王の弟の意です。
そして、宮殿には新たな王妃が迎え入れられました。
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第56話:王子の婚礼
新たな王妃である仁元(イヌォン)王妃は、トンイの子ヨニン君に婚礼を挙げさせ宮殿から追い出そうとしていました。
それを防ぎたい粛宗に、「王様がヨニン君の肩を持っては、世子が傷付きます。私に任せてください」と頼みます。
トンイはこれまでの王室の記録を持ちだし、側室が産んだ王子の妃選びには母親が関与した例が多数あることを説明します。
よって、ヨニン君の婚礼は挙げるが、妃選びは母である自分がすると宣言しました。
婚礼など嫌だと涙するヨニン君に、トンイは「必ず母が何とかしますから」と優しく抱きしめます。
そしてトンイは、粛宗にも今下手に動けば世子が傷付く。
せっかく母を失った傷が癒えつつある今、決して刺激してはならないと粛宗に直接進言しました。
トンイが選んだ妃候補は、進士(チンサ)であるジョンジェの娘でした。
困惑したジョンジェは、王子のためであれば政治的有力者を選ぶべきと一度は断りますが、トンイは「他人に分け与える力、恥を知る力、そして何より自らの無力さを知る力、そんな本物の力を王子に与えたいのです」
この言葉にジョンジェは、承知するしかありませんでした。
第57話:王の密命
ヨニン君の婚礼が盛大に行われた日の夜、
「今回は治まったが、少論(ソロン)の重臣たちはヨニン君を狙ってくるぞ。余にとっては2人共大事な子であるが、重臣たちにとっては権力を守るための盾に過ぎん。余はそなたに大事なことを聞く。王としてではなく子の父として子の母として聞くのだ。ヨニン君が王になるべきだと思っているか?それが宮廷内でヨニン君を生かす、唯一の道だと思っているか?」
トンイは「王様の跡を継ぎ、王になるのは世子様のみです。それは揺らいではいけません。しかし、ヨニン君を生かす方法といえば、ヨニン君も王になるしかないと母親として胸に秘めた決心です」
トンイのこの気持ちを聞いた粛宗は、重臣たちに王位を継ぐのは世子であると宣言します。
そして、トンイを宮殿の外に住まわせると宣言し、周囲も驚きを隠せません。
その真意は、王位を世子に禪位(ソニ)する意向でした。
禪位とは、王位を譲ることです。
王位を譲ったあとは、トンイと共に粛宗は暮らすといいました。
第58話:思わぬ標的
まもなくしてトンイの出宮命令が出されます。
チャ・チョンスは出宮するトンイと、宮廷に残るヨニン君の召集できる兵に2分させなくてはなりません。
しかしその兵の数はわずか20名ほど。
すべては2人を亡き者にしようとするムヨルの仕業だったのです。
ムヨルはトンイの出宮を遅らせ、先に世子を出し襲う気なのでした。
ムヨルはヨニン君の居所を襲い、兵士がなだれ込みます。
トンイは動揺することなくムヨルに向き合いました。
「直ちに淑嬪様を捕らえろ!」とムヨルが兵に命令します。
ところが、兵たちはまるで聞こえなかったかのように微動だにしないのです。
トンイは「その者たちは動きませんよ。皆、私の命を受けてあなたを捕らえに来たのです」
「何?」
「さっさと罪人を捕らえろ!」
兵たちに取り囲まれるチャン・ムヨルは、王妃が内旨標信(ネジピョシン)で下命したはずだと叫びます。
その内旨標信には、確かに「世子を襲った罪人を捕らえよ」と書かれていました。
その罪人とは正に兵曹参判(ピョンジョチャムパン)のチャン・ムヨルだったのです。
第59話:真心の力
「あり得ない!」と喚き散らすムヨルでしたが、そこに現れた仁元(イヌォン)王妃も「いいえ、まぎれもなく私が出した内旨標信(ネジピョシン)です」
チャン・ムヨルと側近ミン武官が縄に繋がれました。
トンイは王妃が自分を信じてくれたからこそできたことだと感謝の意を述べます。
しかし仁元王妃は、「有難いのは私の方だ。王室に罪を犯すところであった。そんな私を信じ救ってくれたのはそなただ」
粛宗は、チャン・ムヨルを斬首の上、晒し首。
右議政(ウイジョン)イム・サンヒョンと判義禁府事(パニグムブサ)以下、すべての在任は流刑のあと毒殺されることになります。
やがて世子にも禪位(ソニ)の情報が入りました。
すべての家臣たちがこれに反対しますが、粛宗の決意は揺るがず、トンイと共に暮らす梨峴宮(イヒョングン)へ越すための準備が急がれています。
そして仁元王妃は、王妃にしかできないことをしようと、ヨニン君の講義の場に出向きました。
仁元王妃は、ヨニン君を養子にすると宣言したのです。
養子にすればヨニン君が世弟になる名分ができるというのでした。
そしてトンイは最初の下命通り、梨峴宮(イヒョングン)へ移ると言います。
第60話:民のために
梨峴宮へ移ったトンイは、民がいつでも来られるようにと塀を壊すよう指示しました。
翌日からは民への粥が配給され、訴えを聞く場も設けます。
夜の街を肩を並べて歩くトンイと粛宗。
その時突然、ゴロツキが女人をさらって走っていきます。
直ちに粛宗は、官軍を呼び寄せるようハン内官に指示を出しました。
トンイは、ゴロツキを追いかけて走っていきます。
「兵士が来るまで待とう!」という粛宗に、トンイは「証拠が消えてしまいます。塀を超えましょう」
「何?塀を超えるだと?」
「はい、一度だけ踏み台になってください」
「なんと、余は王であるぞ?知らなかったときとは訳が違う。」
「男だと言ったくせに!」
「いや、それは…」
「選んでください。王ですか?男ですか?」
「ん~分かった。踏み台になる。上がれ」
粛宗は、「む~、これは前より重くなった」
「力を入れてください。相変わらずひ弱ですね!」
「く~!」
やがて月日が流れ、世子が第20代王のあとを継ぎ、ヨニン君が第21代王「英祖(ヨンジェ)となりました。
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韓流ドラマ『トンイ』の結末とは?
ここからは、還流ドラマ『トンイ』の第60話である結末、最終回を迎えます。
トンイは粛宗(スクチョン)王の側室となっており、次世代王となる王子「ムク」の母となっておりました。
自らが賤民の娘であったトンイは、今後の人生を宮殿ではなく宮殿を離れて民の力になりたいと梨峴(イヒョン)宮へ移ります。
梨峴(イヒョン)宮は、民が困ったことがあったとき、いつでも来ることができるようにと梨峴(イヒョン)宮の塀を壊していきました。
王である粛宗もそして宮殿にいる誰もがトンイが宮殿を離れることを止めましたが、民のために生きる姿を王子ムクにも見せたいと言い、宮殿をあとにしたのです。
梨峴(イヒョン)宮へ移り住み1年が経過したころ、助けを求めてくる民の行列が梨峴(イヒョン)宮に訪れており、連日ポン尚宮らが慌ただしく対応しています。
そんな中、賤民の娘が両班(ヤンバン)や役人らに濡れ衣を着せられた父を助けてほしいと駆け込んできました。
トンイは皆の協力を得て、事件の解決へと挑んでいったのです。
韓流ドラマ『トンイ』の主要キャスト一覧を相関図付きで解説
物語の壮絶な闘いを繰り広げ、波乱に満ちたトンイの人生を描いた韓流ドラマ『トンイ』。
内容も去ることながら、このドラマで出演した主要な登場人物であるキャストの役どころを、相関図を交えながらご紹介していきます。
(引用:テレビ大阪)
トンイ(ハン・ヒョジュ)
最近、再放送でやってる
韓流ドラマ見てるわ
やっぱりトンイのハン・ヒョジュ
さん美しいなぁ(;^∀^)精神がババァかよ((T_T))
まだ全然若いけどもw pic.twitter.com/DiNeIEr24b— ふぅ (@hi17hi14) May 3, 2019
最下層の暮らしをしていたトンイは、在らぬ汚名を着せられて殺害された父と兄の無罪を証明すべく、宮廷に身分を隠して下働きとして掌楽院(チャンアグォン)に入ります。
そこで働くトンイを酷く気に入ったヒビンチャンシが、監察府(カムチャルブ)の女官として迎え入れます。
初めはなかなか周囲に認められなかったトンイでしたが、次第に能力を認められるようになりました。
そんな折り、判官(パンガン)だと名乗る男と出会います。
しかし、のちにその男が第19代王の粛宗であると知りますが、お互いに惹かれ合っていくのです。
粛宗(チ・ジニ)
VUITTONネキの好きなウォトコのタイプはトンイのスクチョン pic.twitter.com/Px1k5tI5Y3
— らむ🐏🌙 (@lumchandesu) February 25, 2024
父と兄の汚名を晴らすために日々奮闘していたトンイに、王である粛宗(スクチョン)が興味を持ち始めます。
王である身分を隠して、自分は判官であると偽りトンイと接触しました。
そして次第にトンイに惹かれていくのです。
チャン尚宮⇒禧嬪(ヒビン)(イ・ソヨン)
チャン尚宮からチャンスグウォンに!
トンイ! pic.twitter.com/QbhMhUbAFV— イ・チャングン (@ponsangun) June 10, 2014
判管と偽りトンイと仲良くなっていく王を見て、面白くないのがチャン尚宮、のちのヒビンです。
ヒビンは王の側室から王妃となりました。
それゆえ、王の心変わりが許せなかったヒビンはトンイを陥れようと企みます。
ヒビンは自分の権力を守りたいがために、イニョン王妃までも陥れようと変貌していくのです。
チャ・チョンス(ペ・スビン)
チャ・チョンス pic.twitter.com/wsw3P1K3LM
— 本宮凪沙&韓ドラ大好き(さっちゃん) (@AzamiSatoko) January 17, 2014
トンイとは、トンイの兄を通じて幼いころから兄妹のように共に過ごしてきた幼なじみのチョンス。
一途にトンイを想っています。
トンイから「チョンス兄さん」と慕われていましたが、あくまで実兄の次兄という見方をされていて、自分に対して異性としての想いがないことは分かっていました。
剣契(コムゲ)の新指導者・副頭を務め、トンイのことは生涯をかけて守っていくのです。
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韓流ドラマ『トンイ』の見どころ
韓流ドラマ『トンイ』の見どころは、なんといってもこのドラマの主人公であるトンイの強さと逞しさです。
そしてトンイを取り巻く登場人物も、朝鮮王朝時代の第19代王・粛宗とのロマンスや宮廷内の女官やトンイの家族たち。
役柄を通して、キャストの独自のキャラクターをうまく役に落とし込んでいるように感じます。
それでも決して本来の役の個性は失わず、朝鮮王朝時代に生きたその時代の人物像がリアルに再現されているのです。
さらには、主要な登場人物を取り巻くキャストの役柄もそれぞれがこの物語の重要なポジションにおり、それぞれが異なった動機や目的を持っています。
そのため、物語が進むに連れてトンイの成長と共にトンイを取り巻く登場人物の役割の重要さが色濃くなっていくのです。
トンイの家族や友人たちとの強い絆、そして宮廷内の激しい権力争いによる対立など、どの回もそれぞれの人物像が強く浮き彫りにされており、見る者の感情を掴んで離しません。
それによって主要な登場人物であるトンイや王、そしてトンイの兄チョンスやとトンイと同じく身分の低かったチャン・ヒビン。
これらの人物をも引き立てているのです。
韓流ドラマ『トンイ』の評価は?
韓流ドラマ『トンイ』は、当初第50話までの予定でした。
ところが、回を重ねるごとに目を見張る展開に、急遽60話まで延長されたのです。
トンイは、少女のころからとても賢くそして強かったと思います。
とにかくブレないというか、まっすぐなのです。
私もこういう女性でありたいと本編を見ながら、何度もそう思いました。
そして、少女のころから一途にトンイを想い続けたチョンス兄さんの生き方。
こちらもホントにまっすぐに一途だったんですが、とうとうトンイには一度も異性として意識されないところが、なんともせつなかったです。
チョンス兄さんはトンイの兄と親友でしたから、初めはその延長線上にトンイがいたと思います。
トンイもまた、兄のお友達で優しいお兄ちゃん的な存在と思っていたと思いますので、そのまま大人になった感じでしょう。
そういう意味では、ドラマの政治的な部分でも深い憤りを覚えたり、女同士の醜い権力争いも見ていて腹正しい部分もあったりしましたが、どちらかというとトンイやチョンス兄さんのような一途な生き方に共感を覚えました。
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韓流ドラマ『トンイ』の感想や口コミ
ここでは、還流ドラマ『トンイ』を見たファンのネット上での口コミ評価をご紹介していきます。
友達におすすめされたトンイ全60話ようやく見終わった。いろいろあったけど最終的に、チョンス兄さんぶっちぎりで一途っていう感想で終わった…。壁になって見守りたいタイプの兄さん。
— くるとん (@kuru_ton) July 28, 2021
チョンス兄さんはホントにトンイに一途でしたね。
もうトンイしか見ていないという一途さが、毎回心を打たれました。
トンイ感想しました🏃♀️
韓流プレミアで見始めてから続きが気になって、どんどん先に進んでしまいました(笑)ハン・ヒョジュちゃんはWのイメージしかなかったけど、トンイみたいな役柄もとてもマッチしてました💖60話は長いけど、ヒョジュちゃんが綺麗で可愛くて幸せでした😍全然レポになってない(笑) pic.twitter.com/uwrtgKLq8x— りり (@Riri_txt0205) September 7, 2020
トンイ役のハン・ヒョジュさんが可愛いという口コミは多かったですね。
このドラマでは、あまり女っぽい雰囲気は出さずあくまであどけなさと賢さなど、トンイのまっすぐな性格を印象付けるシンプルな女性像がマッチしていました。
あたま活性化したのでトンイ感想追加。チャンムヨルが最後に、「大ハズレ確定」の呪いの予言をするところが良かったなあ。あのキャラ、悪役としては飄々としすぎていて本気の憎悪を表したことがなかったから。
— たかさき (@takakei1) June 10, 2012
チャン・ムヨルさんは、トンイの第39話から登場します。
この方、トンイの第1話で無残にも殺害されるチャン・イッコンの息子です。
時代劇ではどちらかというと王様の役をやる方が多かったのですが、トンイでは今までで一番身分が低い役だったそうです。
昨日のトンイ感想・・・チャンヒビンが兄の悪事を知った時に兄と縁を切れたらよかったのにと思うよ。悪い心の人がずっとそばにいるのは不幸だね。
— わくわく (@waku2t) August 8, 2011
トンイが少女のころに一度出会っているチャン・ヒビンです。
トンイでは悪役側になっていたように感じますが、どちらかというとヒビンより周りにいるこの兄も含めて、前述したチャン・ムヨルなどの悪だくみによってヒビンも悪くなっていったような印象を持ちました。
まとめ
今回は、還流ドラマ『トンイ』のあらすじをキャストのご紹介も交えて全話一覧で解説してきました。
このドラマでは、韓流ドラマ『トンイ』に出演したキャストがそれぞれ個性派俳優揃いで役をしっかり自分の物にしている感じが長編大作になった所以でしょう。
そして全話一覧のあらすじを見ても分かる通り、それらの俳優を選んだイ・ビョンフン監督の目利きが素晴らしいと感じます。
特に、トンイ役を当時まだ認知度の低かったハン・ヒョジュさんを口説いたことで、一気に人気女優にのし上げました。
正にトンイのあらすじと同じようにトップに君臨したのですね。
全話一覧もネタバレありですが、韓流ドラマ『トンイ』を見逃していた方は、是非ご覧になってみてくださいね。
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