第46話:父と子
母であるトンイから常々、父であり王である粛宗の話を聞いていた昑は、一度でいいから間近で父上を見て、そして「父上!」と呼んでみたいと思っていました。
そのとき、昑の目の前に王の井出達をした人物を見つけ、「父上!」と駆け寄ります。
しかしそれは、禧嬪の王子である永寿でした。
永寿は、昑に「王様を父上と呼べるのは、王子だけなのだ。」と。
ところが昑は「そんなことは知っている!私も王子だ!」と反論します。
一方、昑が宮殿に入ってしまったと知ったトンイは昑を探しました。
塾へ行く途中だった昑でしたが、塾では賎民の子と昑を馬鹿にした者が昑をイジメる準備をしています。
それを知った粛宗が、昑を連れて宮殿の外へ出ました。
判官を名乗った粛宗は、思いがけず昑と半日遊びます。
昑は知能が優れており、6歳でありながらもう既に「大学」や「中庸」まですべて覚えてしまっていました。
そして粛宗は、「やっとトンイと王子を宮廷に呼び戻す時がきた」と6年ぶりにトンイに会います。
困惑していたトンイですが、父上からお呼びがかかったと知った昑は大喜びです。
その姿を見てトンイも宮廷に戻ることを決意しました。
第47話:王子の意地
宮廷に戻ったトンイは位も淑媛(スグォン)から淑儀(スギ)に格上げとなり昑も、ヨニン君に即位となります。
宮殿に戻ったヨニン君に、判官姿のままヨニン君の前に行く粛宗。
ヨニン君は、「お前も私が宮廷に戻ることを知っていたのか?」
まだ父だと知らないヨニン君はキョトンとした顔で尋ねるので、込み上げる笑いを抑えながら粛宗は「さようでございます、王子様。」
そこへトンイが現れ、判官姿の粛宗に「王様!」と呼びかけました。
ヨニン君は、目の前の判官姿の男が父上である王だと理解し、生意気な口を利いていた自分にうろたえて、その場を逃げ出しました。
植木の下でうずくまっているヨニン君に気づいた粛宗とトンイは、知らぬふりをしてこんなやり取りをします。
王「怒ってないことをヨニン君に知らせたいのだが」
トンイ「怒ってないと?」
王「もちろんだ、会いたいから判官のふりをした。」
トンイ「でも無礼なのでお怒りになるのでは?」
王「怒るだと?そなたは余の背中に乗ったであろう」
トンイ「王様!」
王「余はヨニン君といたとき嬉しかった。共に過ごした時間がとても幸せで充実していた」
それを聞いてすっかり安心したヨニン君は植木の下から出てきました。
第48話:近づく嵐
母トンイから「小学」も知らないふりをしていろと言われてそうしていたヨニン君ですが、ヨニン君が不出来だと思った禧嬪も宮廷内はあざ笑います。
しかし母を侮辱されたことが悔しかったヨニン君は、母との約束を破り「大学」や「中庸」をスラスラと答えました。
歓喜する粛宗。
トンイも「小学」も知らないふりをさせるのは酷であったと思います。
粛宗はヨニン君を侍講院(シガンウォン)に入れると言いました。
侍講院とは、世子の教育を担当する部署のことです。
仁顯王妃を訪ねたトンイは、煎じ薬を呑み苦しそうにしている王妃を心配します。
仁顯王妃は、廃位されていた期間貧しい暮らしをしていた影響もあり、心臓病が悪化していたのでした。
そして、仁顯王妃から、トンイがまだ知り得なかった事実を聞かされます。
それは、禧嬪の王子・永寿が病弱で世継ぎを見込めないというのです。
驚きを隠せないトンイでした。
仁顯王妃は、「世子に世継ぎが見込めない以上、この国に王様の跡を継げる者はそなたの王子・ヨニン君しかいないのだ。ヨニン君をこの国の王にすることができるか」と問うのです。
驚愕するトンイ。
第49話:王妃の願い
後日再度仁顯(イニョン)王妃を訪ねたトンイは、仁顯王妃がとうとう倒れているのを発見します。
トンイは、アン尚宮を問いただし世子の病のことを知りました。
そして昨夜、仁顯王妃が禧嬪の居所を訪ね、世子のために自白するよう説得していたことも知るのです。
一方、禧嬪も王妃が倒れた一報を聞きそれがすぐ死に直結するのか気を揉んでいました。
王妃の主治医は、三日以内に意識が戻らなければ危ないといいます。
禧嬪の母・ユン氏は巫女を連れ、王妃の居所の近くで呪いを掛けていたのです。
人形を焼き、「驪興閔氏」と書かれた札を使った呪いでした。
このことを知ったトンイは驚愕して、監察府(カンチャルブ)に知らせると、直ちに操作が行われます。
仁顯王妃が目覚めたら終わりだと思っていた禧嬪やヒジェら、その想い通り王妃が目覚めたのです。
付きっきりで看護していたトンイに王妃は言います。
「約束しておくれ。必ずヨニン君と生き延びると。何としてもそうすると」
トンイは「はい、必ずそうします。どんなことがあろうと必ず、生き延びて見せます」
これを聞き安堵した王妃は、遠のく意識の中で「恩に着る。私は、そなたと知り合い、とても幸せだった」
第50話:兄と弟
後日、仁顯(イニョン)王妃は粛宗に「トンイを王妃にしてほしい」と言い残し、息を引き取りました。
王妃の死を聞き、ヒジェは小躍りして喜び、禧嬪もまた安堵しすっかり落ち着きを取り戻しています。
宮廷内ではしめやかに王妃の葬儀が執り行われました。
一方、ヨニン君と世子は、すっかり兄弟のように仲良くなっています。
年こそ違いますが、学力は共に互角の力を持っていました。
世子は「共に学ぶと楽しいな。少しも飽きない」
ヨニン君もまた「はい、私もです。兄上と共に…」と言い慌てて恐縮する姿を見て世子は、一般の民と同じ呼ばれ方に返って喜ぶ世子でした。
ところがこれは面白くない禧嬪は、「弟などとはとんでもない。ヨニン君とは二度と会ってはなりませぬ」と世子をりつける禧嬪。
トンイもまた世子を兄上と慕うヨニン君に、どう言い聞かせたらよいものかと戸惑っていました。
一方宮廷では、禧嬪を王妃にするべく上奏が重臣たちによって始まっています。
しかし、トンイを王妃にしてほしいと言い残して逝った前王妃のことを想い、粛宗は決断できませんでした。
いつまでも王妃の座を空けておけないのは分かっていても、どうすべきか思案していたのです。
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