第51話:宣戦布告
決断しかねていた粛宗でしたが、とうとうトンイを淑儀から嬪(ビン)にすると命を出すのでした。
一方、禧嬪はトンイから前王妃を呪った人形と札を禧嬪に返すといいます。
そして、世子の病についても王には内密にするというのです。
禧嬪にはとても信じられない発言でした。
しかし、そう言ったトンイの目に偽りがなかったとも捉えていた禧嬪は、混乱します。
兄ヒジェにこのことを伝えますがヒジェは「罠です。それを信じるのですか?あのずるがしこい女は欺いています」
こういわれますます混乱する禧嬪でした。
しかしトンイは、禧嬪に「ヨニン君に権力ではなく、人生を与えたいのです。
権力より大事な物で満たされる人生。
故に、禧嬪様の恐れは無用です。私が信じられませんか?
世子様とヨニン君を兄妹として生かしてほしいのです。
禧嬪様にお会いした時、すべて覚えていると申しました。
あの時のように信じたいのです。私たちにはまだ取り返しのつく最後の機会があると信じたいのです」
しかしこのあと女官が駆け付けてきて、3日前に王様が淑儀を嬪の位にすると聞きます。
禧嬪は、トンイに最後の機会と言われた返答をしに行く決意をします。
第52話:無垢な心
禧嬪は、トンイに返された呪いの人形と札を突き返し、「代償を払おうと、私は誰かの影としては生きられない。世子のためだ。生まれながらの世子で、王になることだけがすべての子だからな。それをお前やヨニン君には決して奪わせない。生きるか死ぬかだ。」
トンイの想いは届かなかった完全なる決裂でした。
ヒジェの企みにより内医院に不審者が侵入し、帝王学に関する書籍がなくなり、それがヨニン君の荷物に入っていて、ヨニン君の仕業と疑いを掛けられます。
しかしこの一件を粛宗は「書籍はヨニン君が世子に授けた。これしきでヨニン君が世子を脅したと言ったな!」と激怒する粛宗に、上奏の声は静まり便殿も静まり返ります。
この勢いのまま粛宗は、淑儀を嬪に昇格することを宣言しました。
「次は、淑儀が王妃の座を狙うと大騒ぎするつもりか!」
中秋の名月を見たいと言った世子と一緒にヨニン君は宮廷の外へ出ます。
楽しい時間を過ごしていた二人ですが、突然「泥棒だ!」という声と共に男が世子を突き飛ばし、盗んだ巾着を落としていきました。
追いかけてきた両班(ヤンバン)の少年が、突然世子の胸ぐらを掴み、「お前か!捕庁へ行くぞ!」と引きずられていきます。
第53話:憎しみの炎
世子とヨニン君の騒ぎも一段落し、世子も宮殿に戻りました。
世子は自分の抱えている重い病を知り、それを粛宗に打ち明けます。
「自分は世子でいる資格がない」と泣く世子に、「それは違う!」となだめる粛宗。
チャン・ムヨルもイム・サンヒョンたちに事実を暴露し、世子の病が宮殿の噂にとなります。
一方、ユン氏がトンイを狙ったことがオ・テプンによって捕盗庁(ポドチョン)に伝わり、ユン氏は捕らわれました。
その後、ヒジェによる犯行で、東宮殿から火の手が上がり、危険にさらされた世子は行方不明に。
賓慶堂(ポギョンダン)は警戒が厳しいので、刺客を送る手立てとして、宮殿に放火し疊鐘(チョプチョン)によって多くの民が宮殿に押し寄せ騒ぎに乗じて侵入した泥棒が、淑嬪とヨニン君を殺したことにしようとしたのです。
この騒ぎで世子の安否が気にかかったヨニン君は、付き添うエジョンを東宮殿に走らせますが、刺客が現れ宮殿に残っていた女官を切り殺されました。
ヨニン君は必死に逃げますが、刺客に取り囲まれます。
今にも斬られようとなった瞬間、トンイがヨニン君をかばいました。
トンイの背中が斬られてしまいトンイはその場に倒れ込んでしまうのです。
第54話:欲望の果て
トンイを襲った刺客と黒幕のヒジェはチャ・チョンスに捕らわれます。
シム・ウンテクは、仁顯王妃を呪った証拠を粛宗に見せました。
トンイがそれでも禧嬪にチャンスを与えようとしたのに、禧嬪はトンイたちの命を狙ったと説明します。
チャン・ヒジェとユン氏は拷問を受けますが、禧嬪の関与は否定していました。
粛宗は、チャン一族の処分を決めかねています。
誰の目にも死罪は当然ではありますが、世子の身内である故に悩んでいたのです。
世子は、母を死なせたくないあまり3日も座り込みを続け嘆願し泣き叫びます。
その声に一層、胸が痛む粛宗。
しかし、粛宗はこうせざるを得ない父を許せと伝え、以下の処分を下します。
「チャン・ヒジェとユン氏、王室と朝廷を冒涜しさらに王妃を呪詛した上、淑嬪とヨニン君を狙った罪は、酌量の余地なし。よって、共犯者も含め死罪か流刑に処す。
また、禧嬪について世子の母としてその責任を果たせず、先の謀略を画策という大罪を犯した。決して許されない罪だ。よって禧嬪にも同じ罪を問う。
本日、禧嬪の位を剝奪し、毒殺を命じる。」
第55話:新たな対立
禧嬪は、白装束に身をまとい計場に進んでいきました。
器に入れられた毒薬を前に、禧嬪は辺りを見回します。
禧嬪は最後の願いとして、粛宗に自分の死にゆく姿を見て欲しいと伝えていました。
どこかで見ているであろう王を想いながら、禧嬪は毒を呑み吐血し、苦しみながらその命が燃え尽きたのでした。
また、兄ヒジェと母ユン氏も牛車に乗せられ、民からの罵声を浴びながら都城を移送されていきます。
宮廷では、トンイが王妃になれば世子の立場が危うくなる。だからこそ、ヨニン君を世子にという声が上がっていました。
世子は母禧嬪を失って荒れ狂い、帝王学の書籍ももう自分には不要だと、粛宗に対しても悪態をつきます。
しかし、そこへ現れたトンイは自分は王妃にはならないと宣言しました。
それが悲劇を断つ道なのだといいます。
粛宗便殿において教旨が読み上げられました。
「今後、いかなる後宮も王妃にはなれぬものとする。後世のどの王も、これに背いてはならない。
そしてトンイは世子を王とし、ヨニン君を世弟(セジェ)とする」
世弟とは、王位を継ぐ王の弟の意です。
そして、宮殿には新たな王妃が迎え入れられました。
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