愛する人のそばにいたい、それだけなのに二人は別れなければならなかった…。
映画『マチネの終わりに』は芥川賞を受賞した作家、平野啓一郎さんの小説を映像化した大人のせつないラブストーリーです。
福山雅治と石田ゆり子が共演と聞けば期待してしまうのですが、中にはひどいという評価もちらほら見受けられました。
この記事では映画『マチネの終わりに』のあらすじが実話なのか、なぜひどいといわれているのかを解説しています。
また出演キャストや、感動的なラスト解釈の意味についてもくわしく紹介していきます!
最後の音符まで、心は通じ合う。
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映画『マチネの終わりに』のあらすじ
世界で活躍するギタリストの蒔野聡史は、コンサートツアーの最終日に、ジャーナリストの小峰洋子という女性を紹介される。
蒔野は出会って間もない洋子に対して、強く惹かれている自分に気づく。
だが、洋子にはすでにアメリカ人の婚約者がいた。
気持ちを抑えきれない蒔野は、恋人がいることを知りながらも洋子に愛を告白する。
蒔野が抱える音楽家としてのスランプや、洋子の赴任先で起こる爆破テロという困難を乗り越えて、一度はお互いの心を通わせることができた二人。
だが二人を阻むあるできごとが起こり、思わぬすれ違いが起きてしまう。
誤解が生じたまま年月が経ち、それぞれ家庭を持った二人。
数年後、ニューヨークでのギター公演を終えた蒔野と洋子は再会を果たす。
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映画『マチネの終わりに』がひどいと言われる理由とは?
映画『マチネの終わりに』が一部の間でひどいという評価も見られました。
それはなぜなのでしょうか?
ここでは、ひどいと言われる理由について考察します。
- 原作をカットした演出が説明不足。
- テンポが遅くダラダラした展開。
- 登場人物がミスキャスト。
- マネージャーの行動がひどい。
原作をカットした演出が説明不足
映画の中で蒔野は、洋子とパリのレストランで一度再会をしました。
その食事中に交わされる会話の中で、「洋子さんが死ぬなら僕も死ぬ」というセリフが突然すぎるという見方もありました。
原作では、なぜ蒔野がそのようなセリフを口にしたのか書かれているのですが、まだお互いをよく知らない女性に言う言葉としては不気味に感じられるかもしれません。
せっかくのきれいな場面も、演出上のカットにより表現しきれていないのではないでしょうか。
テンポが遅くダラダラした展開
全体的に「映像で見せる」作品のためか、終始バックミュージックとして流れるギターの音色と、ゆっくりとしたテンポで進む展開がダラダラしているので間延びしていると感じられます。
登場人物がミスキャスト
蒔野は38歳、洋子は40歳というお互い40代にさしかかった微妙な年齢で出会ったのでした。
しかし、演じている福山雅治と石田ゆり子がどうみても40歳には見えないのです。
役者の実年齢からすると仕方ないのでしょうが、ミスキャストなのではという意見も。
原作が英語・フランス語・ラテン語も堪能で聡明なハーフのジャーナリストという設定のため、純日本人の石田ゆり子が演じることに若干イメージと違うと感じるのでしょう。
マネージャーの行動がひどい
そもそも、蒔野と洋子のすれ違いの原因を作ったのは、蒔野のマネージャーである三谷早苗です。
彼女は、小峰洋子という存在が、蒔野の音楽活動の妨げになっていると思っていました。
蒔野と洋子が東京で会う約束をした日、蒔野が恩師の祖父江が運ばれた病院へ駆け付ける際に、携帯電話をタクシーの中に忘れる、というできごとが起こります。
三谷は「自分が代わりにタクシー会社へ取りに行く」と言って携帯電話を受け取ったあと、蒔野と洋子のメッセージのやりとりをこっそり盗み見したのです。
そして蒔野の携帯から、「あなたとはやっぱり会えない、あなたと会うと自分の音楽を見失ってしまう、気持ちの整理が必要だ」というメッセージを洋子へ勝手に送りました。
これをきっかけに蒔野と洋子の間に誤解が生まれ、二人は別々の道を歩んだのです。
嫉妬にかられたマネージャーがこんなことをするなんて、プライバシーの侵害だし、かなりの暴挙。
ですが、ある意味彼女がこの物語の最重要人物といっていいかもしれません。
しかも、洋子との関係をあきらめた蒔野は、献身的に尽くす三谷と結婚までしました。
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映画『マチネの終わりに』の主要キャスト一覧
ここでは、映画『マチネの終わりに』の主要キャストを紹介します。
キャストはかなり豪華になっていますので、確認しておきましょう。
蒔野聡史…福山雅治
ギタリスト。
38歳になり、演奏家として最も充実しているはずが、少しづつスランプを抱えるようになる。
そんな時に小峰洋子と出会い、一瞬にして心を奪われる。
小峰洋子…石田ゆり子
パリのRFP通信に勤務するジャーナリスト。
婚約者がいながらも蒔野に惹かれていく。
後にリチャードと結婚して息子が産まれるが離婚する。
リチャード…伊勢谷友介
洋子とは大学生からの友人の日系アメリカ人。
離婚後は別のパートナーと一緒に生活している。
三谷早苗…桜井ユキ
蒔野聡史のマネージャー。
蒔野の1番のファンであり、彼の人生の名脇役になりたいと献身的にアーティスト活動を支える。
後に蒔野との間に女の子がうまれる。
是永慶子…板谷由夏
レコード会社ジュピターの社員で蒔野の担当者。
公演終了後の楽屋で洋子を紹介する。
アーティスト活動に気乗りがしない蒔野を何とか売り出そうと支える。
祖父江誠一…古谷一行
ギタリストであり、蒔野の師匠。
脳出血により病院へ搬送される。
中村奏…木南晴夏
祖父江の娘。
父親の弟子である蒔野とは幼少のころからの付き合いがある。
子供を抱えながら倒れた父を支える。
小峰信子…風吹ジュン
小峰洋子の母親。
イェルコ・ソリッチとは別れて長崎に住んでいる。
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映画『マチネの終わりに』は実話なのか?その意味を探る!
映画『マチネの終わりに』は創作なのか、それともどこまでが実話なのか真意は不明です。
小説『マチネの終わりに』の冒頭に「序」というまえがきがあり、蒔野聡史と小峰洋子にはモデルが存在するという書き出しがあります。
また、取材協力にギタリストの福田進一さん、鈴木大介さん、大萩康司さんの名前があることから、蒔野のモデルは福田進一さんでは?といわれています。
作者の平野啓一郎さんは、ギタリストを主人公にしようという設定を考えたうえで、40代にさしかかるアーティストが、どういった思いを持っているかなどお話をうかがったそうです。
また、小峰洋子については全くのフィクションではないがモデルとなる人物はいるそうですが誰なのかは明かされていません。
創作と実在を混ぜながら『マチネの終わりに』というリアルな作品が生まれたのでしょう。
小説と映画の違いは?『マチネの終わりに』の魅力を解説
映画『マチネの終わりに』は、原作の内容を変えたり、登場人物の内面描写を大幅にカットしている部分も見受けられますので、ここでは違いについて解説していきます。
小峰洋子の生い立ちや勤務先が違う
原作で小峰洋子は、父親が有名映画監督のイェルコ・ソリッチという人物と、長崎生まれの日本人の母親のハーフ。
フランスRFP通信の記者であり、イラクのバグダッド支局で勤務中にテロに遭遇し、PTSDを抱えることになります。
しかし映画で洋子はハーフではなく、イェルコ・ソリッチの2番目の妻の娘になっています。
テロに遭遇する場所もイラクではなく、パリで起きたことに変更されていました。
同僚の設定が違う
また、バグダッド支局でアシスタントをするイラク人のジャリーラという女性が登場します。
原作でジャリーラは身の危険を感じて亡命をしようとして失敗し、洋子がパリで一時的に保護して支えます。
映画での彼女はパリの同僚という立場に変更されていました。
アメリカ軍のイラク侵攻など世界情勢についての描写もほとんどカットされています。
父親のイェルコ・ソリッチと会う場面がない
原作で洋子は、ロサンゼルスに住んでいる父親を訪ね、なぜ母親と別れた後に次の作品発表まで9年間の空白があったのか聞きました。
この部分は彼女の生い立ちを知る上で重要な話が語られていますが、映画ではカットされています。
ギターの師匠祖父江誠一が亡くなった
師匠の祖父江が脳出血で倒れ緊急搬送、その後障害が残りましたが一命を取り留めました。
スランプの蒔野へ「あなたのように偉大な才能はもっと自由でいい」とアドバイスします。
映画ではその後亡くなり、教会で葬儀が行われるシーンがあります。
武智文明が映画に出演しない
蒔野は同じギタリスト、武智文明とデュオコンサートを開催します。
休養から久しぶりのギターを猛特訓し、練習を重ねる蒔野は徐々に音楽家としての自分を取り戻していきます。
武智はこのツアーを最後に演奏家としての活動を引退し、一か月後に事故により亡くなりました。
早苗が洋子に真相を告白するシーン
原作では蒔野の東京公演を知った洋子が当日チケットを買うために並んでいた所、早苗が見つけて声を掛けます。
そして早苗は洋子に「今日のコンサートは見ないでほしい」と言います。
話し合いの途中で洋子は「もう会うことはできない」というメールを送ったのは早苗であったと気づきました。
映画では早苗が洋子に「蒔野のコンサートを見に来てほしい」と誘うセリフにかわっています。
また、早苗が夫の蒔野に真相を告白するのは直接話すのではなく、子供を連れて実家に帰るという口実で家を離れた後に、メールで伝えたことになっていました。
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映画『マチネの終わりに』の結末を考察
蒔野のニューヨーク公演は、長いスランプを脱しての素晴らしい演奏でした。
そして、3度目のアンコールの前に客席へ向かって英語で語りかけます。
「マチネ(昼の公演)の終わりに、みなさんのためにもう1曲演奏します」
そう言って弾いた曲はイェルコ・ソリッチ監督の映画「幸福の硬貨」の主題歌でした。
これは客席にいた洋子のために演奏された曲だったのです。
演奏終了後にセントラルパークを散歩する蒔野は、数年ぶりの時を経て洋子と再会を果たすという感動的なシーンで終わっています。
この結末の意味を考えてみると、「人は変えられるのは未来だけと思い込んでいるけれど、未来が過去を変える」というテーマがより心に響いてくるのではないでしょうか?
再会により二人はお互いの誤解が解け、ようやく分かり合える時が来たのです。
当時はつらかった過去のできごと一つ一つが、今では良い思い出の一部に変化したのかもしれません。
その後どうなったのかについては視聴者の想像に任せられる形となっていますが、
- 蒔野は自らの安定した家庭を捨て、ようやく結ばれた洋子と生きる道を選ぶ。
- 蒔野と洋子はアバンチュールとして大人の関係を続ける。
- 家庭を考えて再会を喜び合うだけで再び別の道を歩んだ。
ということも考えられますね。
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映画『マチネの終わりに』の評価は?
映画『マチネの終わりに』は、原作小説との違いによることから賛否両論のある作品です。
そのうえで映像作品として考えてみると、
- パリ、東京、ニューヨークを背景とした映像美の世界。
- 福山雅治さんの本格的なクラシックギター演奏やアーティストとしての苦悩。
- マネージャー三谷早苗の行動で流れが突然変わる展開。
といった見どころもありますので一概につまらないとはいえません。
また、使用されている音楽や少ないけれど、選び抜かれたセリフが良いと評価されています。
そして、福山雅治さんと石田ゆり子さんの大人の恋愛模様を堪能するには、見る価値十分ではないでしょうか。
映画『マチネの終わりに』の感想や口コミ
ここでは、映画『マチネの終わりに』のSNS上での感想や口コミを紹介します。
実際に視聴した人からは、どのような意見があったのでしょうか。
映画『マチネの終わりに』
原作の良さを殺してる面が半分、原作にはない魅力があるのが半分、というのが率直な感想。
キャラクターの内面描写がない分、映像と音楽とキャストで魅せる試みは成功している。テーマにつながる原作の大事なハイライトをばっさり落としのがちょっと致命的かなー。 pic.twitter.com/ZPd2EMOuIN— のん ृ( ′⌄‵ ृノ ृ) (@aidabotan) November 7, 2019
マチネの終わりに(80点)
無駄の無い話運び、抑圧した演出、ハイレベルな撮影、心地好い音楽。巧い。とにかく巧い映画だった。全編、水やペットボトル、グラスの使い方に拘りが感じられ面白い。中盤はウェルメイド過ぎて少々睡魔に襲われたが、予告編のイメージだけで敬遠してしまうのは勿体無い秀作。 pic.twitter.com/wrFtN5Khli
— 松田 恒太 (@destruction_ma) December 6, 2019
原作を読了した人が映画を見ると、原作の良さと映画の良さが半々になって、物足りなさを感じる部分もあるようです。
また、映像化されることで風景や登場人物のリアルな表情などがわかりやすくなるので、無駄がない演出との評価もありますね。
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まとめ
今回の記事を簡単にまとめると、
- 映画『マチネの終わりに』は平野啓一郎原作の恋愛小説を映像化した作品。
- 主人公は福山雅治演じるギタリスト蒔野聡史と、石田ゆり子演じる小峰洋子の悲しくも切ないストーリー。
- 原作との違いにより映画の方には賛否両論がある。
- 福山雅治と石田ゆり子の大人の恋愛模様を堪能するには見る価値十分である。
映画『マチネの終わりに』がひどいと言われる理由とは?あらすじや実話なのかも解説!と題してご紹介しました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。