映画『湖の女たち』が、福士蒼汰さんと松本まりかさんのW主演で、2024年夏に公開されました!
今回は『湖の女たち』のネタバレ解説と、原作小説のあらすじ、真犯人とラスト衝撃の結末までを詳しく紹介します。
原作は、琵琶湖近くの介護施設で起きた不可解な事件をめぐる極限のミステリーとなってます。
福士蒼汰さんと松本まりかさんが、この映画をどのように演じるのか、ラスト結末はどのようになるのか、真犯人は誰なのか気になります。
ぜひこのネタバレ記事を読んで、映画公開に備えましょう!
水面下で織りなされる罠―全ての真実が明らかに。
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映画『湖の女たち』のあらすじ
「もみじ園」という湖畔の老人介護施設で、寝たきりの状態だった男性が人工呼吸器を外されて殺されるという事件が発生。
捜査を行なった刑事はその施設で働く女性と出会いますが、取り調べをすすめていく中で、二人はいつしかインモラルな関係に。
一方で、この事件を取材する週刊誌記者は、今回死亡した男性が過去に満州で人体実験に関わっていたという情報を得ますが、編集幹部から突然、取材の中止を命じられました。
一体誰が寝たきりの老人を死なせたのか?
吸い寄せられるように湖に集まる男女たち。
圧倒的な自然が悪も善も美もすべて呑み込んでいく悪と欲望が入り乱れた結末に、あなたは言葉を失います。
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映画『湖の女たち』のあらすじネタバレ~ラスト衝撃の結末
『湖の女たち』は、少しずつ軸が重なりながらラストに向かって進む構成をとっています。
物語の軸は3つあり、まずは介護施設で起こった事件があります。
男性の人工呼吸器が外されたことが原因で亡くなった事件です。
次に、男女の倒錯的関係が描かれています。
そして、雑誌記者が薬害事件を調べる中で明らかになる、関東軍731部隊による人体実験の出来事が物語の中心となります。
結末には、犯人と思われる人物が意外かつ明らかにされますが、真相は明らかになりません。
では早速細かく見ていきましょう。
介護施設で起こった事件
琵琶湖畔にある「もみじ園」という老人介護施設で、100歳であった市島民男さんが亡くなりました。
市島さんは人工呼吸器を使用しており、その故障が原因で亡くなったことが判明しました。
しかし、その呼吸器には複数のアラームシステムがあり、当直の介護士たちは鳴りませんでした。
同時にすべての機能が故障することは考えにくく、警察は人為的な停止を疑いました。
そして、当直の介護士、松本郁子に疑惑が向けられました。
しかし、彼女には動機がなく、常日頃から真面目に仕事に取り組み、決して人の命を奪うような人物ではないことが分かりました。
濱中圭介
滋賀県西湖署に勤務している刑事・濱中圭介が、介護施設の事件の担当になりました。
圭介は既婚者で、妻の華子はもうすぐ出産といった妊婦です。
圭介は、先輩刑事・伊佐美に命じられ、容赦ない取り調べを行うことに。
容疑者の松本郁子に逮捕に至る証拠や動機もなかったのですが、警察は犯人に仕立て上げるため無茶苦茶なシナリオを作成。
さらに、彼女を尾行したりして精神的に追い込み、「介護士と看護師の待遇に不満があり、そのためこの事件を起こした」という自白を強要しました。
松本は、長時間にわたる取り調べにより追い詰められ、自らの軽自動車を運転してトラックに突っ込んでしまう交通事故を起こしてしまいます。
警察は彼女を執拗に追い詰め、厳しい取り調べを続けました。
取り調べの際中、琵琶湖周辺にある「徳竹会」という別の老人介護施設で、再び人工呼吸器が止まり、92歳の女性が亡くなりました。
しかし、松本はすでにマークされており、他の施設で犯行を行うことはできませんでした。
これにより、彼女が無実であることが証明されました。
豊田佳代と濱中圭介
「もみじ園」に勤務している介護士の豊田佳代は、捜査中の刑事の圭介と、不自然な男女の関係にはまり込んでしまいました。
圭介は主として様々な指示をし、佳代は異常な性癖に従います。
多くの人は指示に従うことで安心感を得る傾向にあります。
そして、二人は事件の捜査の合間を縫って会うことがあり、その関係は次第に終焉を迎える方向へと進んでいくのでした。
薬害事件
「もみじ園」の事件、薬害事件を調査していた週刊誌記者の池田立哉は、20年前の薬害事件について深く掘り下げるうちに、市島民男という亡くなった男性を知ります。
薬害事件とは、製薬会社MMO、医師・宮森勲とによる治験で、血液製剤が患者に深刻な副作用を引き起こすことがわかっていながら、治療を続けていた事件でした。
西湖という滋賀県警の刑事が、証拠を持って宮森勲とMMOの密約を暴こうとしましたが、当時の厚生大臣・西木田一郎の介入によって中止されます。
現在の話に戻ると、池田は薬害事件の取材中に、旧琵琶湖ホテルで一枚の写真を見つけます。
その写真には、医療法人渋井会の会長である渋井宗吾、第八銀行頭取である段田信彦、そして「もみじ園」の事件で亡くなった京大教授の市島民男が写っていました。
この三人は戦時中に七三一部隊に所属しており、非人道的な生体実験や生体解剖に関わっていたのです。
ただし、市島民男が「もみじ園」で亡くなったのは、彼が戦時中に行った行為が原因での復讐ではありませんでした。
第二の事件
「徳竹会」という別の老人介護施設で、前と同じ手口で人工呼吸器が停止され、92歳の女性が亡くなりました。
しかも、被害者と加害者の市川民男との接点は全くありませんでした。
一方、以前にマークをされていた松本は、他の施設で犯罪を犯すことは不可能な状況にあり、無実であると判明しました。
こうした状況から、事件に関与した刑事が不法な尋問を行っていたことが明らかになり、それによって圭介は世論から非難を浴びました。
しかし、彼が違法行為を行ったのは、組織からの指示であったためです。
そのことが公になった後、警察はすべての罪を圭介に押し付け、彼の立場は絶望的なものになってしまいました。
同じように、佳代もまた欲望に負け、ウソをついて市島民男の呼吸器を止めたと自白しようとしました。
彼女もまた、破滅的な行動をとっていました。
二人の関係
その後も二人の行為はエスカレートし、佳代は圭介に言われるままに、手錠をかけられ湖へと身を投げます。
直前までは恐怖を感じていた佳代でしたが、いざ身を投げるとなった瞬間、経験したことのない興奮を感じたのでした。
湖に沈みながら自分が亡くなることを考え、圭介の身を引きずり込む計画を立てた佳代。
しかし、圭介に救われてしまい、かえって心の傷を深めてしまうことになりました。
圭介は冷静さを取り戻し、佳代を助け出したものの、佳代の心は既に折れてしまっていました。
彼女は今までの生活に戻れない不安に陥りました。
ハルビンでの悲劇
そのころ週刊誌記者の池田は、市島民男の妻・松江から、日本人の男児とロシア人の女児が凍死体で発見されたと聞きます。
松江は当時ハルビン郊外に作られた村で暮らしており、そこで偶然にも少年たちが父親の真似をして白衣をまとっている姿を目撃しました。
日本の男児とロシアの女児が、その少年たちが模倣した実験の結果として亡くなったという悲しい事実がありました。
疑惑
池田は、「もみじ園」の介護士である服部久美子の家を取材のために訪れ、そこで孫の三葉と出会いました。
三葉は、モデルになることを夢見ており、アルバムを見せてくれました。
その中の1枚に、三葉と仲間たちが白衣で写る写真があったことを池田は注意深く見ました。
彼は、以前聞いた松江事件と何か繋がっているように感じました。
三葉は、水生生物を観察する研究部に属している、ただの普通の中学生だと言いました。
しかし、池田は写真の日付が、もみじ園の事件の日と同じであることに気づきました。
服部は、池田の態度に気づいたようで、「もう時間だわ。そろそろ出かけなくちゃ」と言って彼を帰すことにしました。
真犯人
人工呼吸器を故意に停止させたのは、「もみじ園」の介護士である服部の孫、三葉でした。
三葉たちは施設で起こった事件に影響を受け、身勝手に「生産性のない人間は生きる価値がない」という理由で犯行を行っていたのでした。
しかも、三葉が言っていた害虫というのは施設で寝たきりで過ごしている老人を指していたのです。
三葉は、野鳥観察と称して取り巻きの男子たちと、夜中から早朝に介護施設に訪れるなど、怪しい行動を取っていたのでした。
物語の結末
半年後、老人介護施設での事件は依然として解決の糸口が見つからず、人々は徐々に忘れていったのでした。
佳代は圭介とは全く連絡を取っておらず、異性との出会いもただ挨拶程度で終わってしまっていました。
一方、松本郁子から訴えられた圭介は、自分の非を認めた結果、警察を辞めざるを得ない状況に陥っていました。
未だに事件に疑問を抱いていた池田は休職し、その間ずっと三葉を監視していたのでした。
そんな中、池田は三葉たちが野鳥観察に来ているバンガローの中で白衣を発見します。
そして間もなく、彼らはバンガローを白衣をまとって出て、一列になって三葉が口にした介護施設へ向かって歩いていったのでした。
池田が三葉たちの犯行を確信した時、目の前には彼らを監視するためにやって来た圭介がいたのでした。
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映画『湖の女たち』のラスト結末は?
映画『湖の女たち』のラスト結末はどのようになるのでしょうか。
原作ではふわっとした感じで終わってしまっていましたが、私の予想では三葉を逮捕~なぜそのようなことをしたのかまでが明らかになって終わるのではないかと思います。
おそらく、お年寄りを「害虫」とまで言ってしまうには、それなりの過去があるのではないかと思います。
果たしてどのような過去が明らかになるのか。
現在のところは、結末がどのようになるかも未確定ですが、原作を読んで楽しみに待ちましょう!
また結末がわかり次第、追記していきたいと思います。
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『湖の女たち』登場人物
以下に映画『湖の女たち』に登場する人物の簡単な紹介を書いてます。
福士蒼汰さん、松本まりかさん以外のキャストも決定しましたね。
豊田佳代(演:松本まりか) | 「もみじ園」の温かく優しい介護士。利用者たちからは「かよちゃん」と呼ばれる。親身になって話を聞いてくれる姿勢が評判で、信頼されている。 |
濱中圭介(福士蒼汰) | 目的のためには手段を選ばない刑事。事件解決のため、ときには周囲とぶつかりながらも執念深く捜査を進める。プライベートでは、妊娠中の妻を心配する一面も。 |
福地桃子(池田由季) | 週刊誌記者で、真実を追求する情熱的なキャラクター。 |
松本郁子(財前直見) | 豊田と同じ介護士で、明るく前向きな性格の持ち主。孤独な利用者に寄り添い、温かく接することができる。 |
市島松江(三田佳子) | 民男の妻で、彼の最後を看取った。夫婦仲が良く、病院での生活も支え合いながら過ごしていた。 |
伊佐美佑(浅野忠信) | 圭介の先輩で、厳しい指導の下、彼を育て上げた人物。現場経験が豊富で、圭介からの相談を受けることも多い。 |
近藤芳正(竹脇東) | 老人ホームの職員。温厚で慈悲深い性格ですが、事件に巻き込まれたことで葛藤する姿が。 |
平田満(河合勇人) | 老人ホームの管理者。職務に厳格で、表面上は誠実に見えるものの、事件に深く関わることでその真の動機が疑問視される。 |
服部久美子(根岸季衣) | ユニットの力となる頼れるユニットリーダー。的確な判断力で現場を盛り上げる存在。愛想が良く、スタッフたちからも慕われている。 |
菅原大吉(服部の夫) | 老人ホームの入居者。知識豊かで話好きな高齢者。 |
服部三葉(土屋季乃) | 冒険心旺盛な中学生。祖母の仕事に興味を持ち、時には施設に訪れて様子を見に来る。何かと手伝いたがるおおらかな性格が魅力。 |
濱中華子(北香那) | 温かく明るい歯科医師で、妊娠中。圭介の良き理解者であり、家庭を支える存在。 |
大後寿々花(小野梓) | 湖畔の老人ホームに住む元看護師。物語の中で重要なヒントを提供するキーパーソン。 |
川面千晶(二谷紀子) | 老人ホームの看護師。事件の真相に気づいているが、周囲にはそれを隠している。 |
呉城久美(本間佐知子) | 老人ホームの職員。温和で思慮深い性格を持ち、入居者たちからの信頼が厚い。 |
穂志もえか(市島松江) | 詳細不明 |
奥野瑛太(市島民男) | 詳細不明 |
吉岡睦雄(両角署長) | 詳細不明 |
信太昌之(渡部編集長) | 詳細不明 |
鈴木晋介(豊田浩二) | 詳細不明 |
長尾卓磨(医療機器メーカーの担当者) | 詳細不明 |
伊藤佳範(小林剛) | 詳細不明 |
岡本智礼(谷川) | 詳細不明 |
泉拓磨(徳竹会の若い男) | 詳細不明 |
池田立哉 | 週刊誌の記者で、20年前の薬害事件を調査中。偶然、民男が「もみじ園」に入所していたことを知り、事件解決に向けて動き出す。 |
市島民男 | 高齢にもかかわらず、精神的にはかなり元気だった京都大学の教授。亡くなる前に何かを伝えようとしていたような様子があり、その真相が注目される。 |
渋井宗吾 | 医療法人渋井会の会長。自らも医師として「もみじ園」を訪れ、施設に対して深い愛着を持っている。利用者との触れ合いを大事にする姿勢が感じられる。 |
西木田一郎 | 有力な政治家で頭角を現している若手。自身がタブーとする部分に触れる本件に、慌てないよう冷静に対処していく。 |
段田信彦 | 第八銀行頭取で、西木田一郎の父親。息子の政治家としてのスキルとは違い、銀行家としての高い。 |
映画のキャストと相関図については別記事で紹介してます。
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まとめ
『湖の女たち』という作品は、事件の発端である介護施設を舞台に、男女の奇妙な関係や、薬害問題、満州の人体実験などが絡み合う複雑な物語です。
作品を読み進めるにつれ、琵琶湖の美しい景色と雪に覆われたハルビンの世界が交錯する中、人間(犯人)の冷酷な行動が浮かび上がります。
同時に進展する佳代と圭介の変わった関係は、恋愛や官能性とは異なり、まるで官能小説を読むかのように描かれています。
物語は進み、捜査は進行しますが、佳代と圭介の人生の破滅、
そして意外性に満ちた真犯人の正体を紐解くことはできません。
一文にあるように、「生産性がない人々は生きる価値がない」という一節が描かれており、相模原やまゆり園の事件を思い起こさせます。
さて、誰も予想できなかった中学生の登場があり、それに対して人々が何の前触れも感じなかったことは、筆者の作品である『パレード』に似ています。
また、戦争中にハルビン市で出された全裸の男児と女児の遺体が浮かぶ湖の景色は、琵琶湖での遊びと、佳代と圭介の終わりを表しているようです。
最後に言えることは、『湖の女たち』は社会派、ミステリー、戦争もの、官能小説など、どれにも当てはまらないジャンルレスであり、アングラな作品であることは間違いありません。
しかし、吉田修一氏の書く結末には感心させられます。
映画を鑑賞した後、原作もぜひ読んでみてください。
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